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アフリカにょろり旅 [これはみたい一冊]

先日、一般紙で東大海洋研究所海洋生命科学部門の研究グループが熊本県沖合でニホンウナギの捕獲に成功した、と報道されました。当グループも”生態を解明する重要な手がかりになるかもしれない”と期待しているように、今後もますます眼が離せないですね。

 今回、注目を集めたその研究グループの一員である青山潤助手の著書を紹介します↓

 東京大学海洋研究所が鰻の生活史等の研究で最も秀でた機関であることはいうまでもない。ただ、実際のその研究の現場となるとあまり知られていない。そうした中で、ウナギの資源調査で奮闘する同研究所の青山潤助手はアフリカで自ら体験した鰻採集の奮闘記「アフリカにょろり旅」をまとめ、このほど講談社から発刊した。
 本書は「小説現代」で05年12月号から06年12月号まで連載された「東京大学海洋研究所ウナギグループ研究外伝アフリカにょろり旅」をまとめたもの。内容は青山助手と塚本勝巳教授、そして大学院博士課程の学生である渡邊俊氏が世界に一八種類存在するウナギ属魚類のうち唯一サンプルを収集できていなかった「アンギラ・ラビアータ種」を探し求めてマラウイ共和国を訪れた際のルポとなっている。
 ウナギの研究者三人が繰り広げる珍道中は研究者の生の声も聞かれ、新鮮でしかも興味深い。「途上国慣れ」していることから淡々と旅を続ける塚本教授と「熱血漢」的な人柄の青山助手、「途上国慣れ」しておらず純朴な青年といった感じの渡邊氏が水、トイレ、移動手段等あらゆる面で不便なアフリカを旅しつつ、「ラビアータ種」を探し求める。
 ウナギの研究というとアジアやヨーロッパでのフィールドワークや白鳳丸での太平洋上の調査航海といったイメージが強い中で、業界人がまったく足を踏み入れることのないアフリカの奥地までウナギを探し求めて、積極果敢に飛び込んでいく姿には驚かされた。お勧めの一冊だ。
 問い合わせ先講談社〒112-8001 東京都文京区音羽2—12—21、電話:03—5395—3622(販売部)、定価:1,680円。
 


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