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『世界で一番詳しいウナギの話』塚本勝巳教授[東大大気海洋研]/飛鳥新社発行 [これはみたい一冊]

〜シラスウナギ大不漁の波は5〜10年後に再来?!〜

“うな丼が食べられなくなる?!”ショッキングな言葉が帯を飾る、最新ウナギ実情を網羅した『世界で一番詳しいウナギの話』(四六判・288頁・1470円)が飛鳥新社から発行された。著者は、世界で初めてウナギの天然卵を発見した世界的なウナギ博士、東大大気海洋研の塚本勝巳教授だ。

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これまで、世間を湧かせた“プレレプトセファルス”“親ウナギ捕獲”“天然卵”“の発見など数々の輝かしい実績のほか、今年6月までのマリアナ調査の最新データ、ここ3年間の大不漁の原因、10年後のウナギ資源量の予測など、40年間に渡る塚本教授の研究人生がこの1冊に凝縮されている。 


中でも注目は、来シーズンのシラスウナギ漁で、日本へのシラス来遊量に影響を与える“塩分フロント”の位置が5月の時点でかなり北にあり、「レプトセファルスの多くは、北赤道海流の北部を乗り、そして黒塩へ乗り換え、日本へやってくることになる(中略)2009年からのシラスウナギの不漁はある程度、緩和される可能性がある」と興味深い内容が綴られる。しかしその一方で、塚本勝巳教授は本書の最後で「この三年の大不漁の波は5〜10年後に再来する(中略)天然資源の保全にも対策を講じなくてはなりません」と警鐘を鳴らし、締めくくる。

もはや “シラスウナギの好不漁”に一喜一憂するのではなく、このウナギ文化をいかに次代に継承していくか、あらゆる視点からウナギについて考える時期に来ていると言える。そうした意味でもいろいろと考えさせられる本書を是非、一読してみてはいかがだろうか。(本紙9/15号・既報)

[データ]
『世界で一番詳しいウナギの話』
株式会社 飛鳥新社
〒101−0051
東京都千代田区神田神保町3-10神田第3アメレックスビル
電話03-3263-7770

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