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「蒲焼店が考える“これから”」98 〜2017年4月15日号掲載〜 [蒲焼店が考える“これから”]


北御門(きたみかど)孝廣代表取締役
(北御門/長崎県諫早市)

『お客様に感謝される総合的な店作りが大事』

4月もなかばに差し掛かり、花見シーズンも終盤を迎えている。東京では先月21日、全国に先駆けて桜開花が宣言されたものの、冬に舞い戻ったかのような肌寒い日が続いた。ここ最近になり、ようやく、陽気も緩み、春らしい気候になるなど、いよいよ夏のシーズンに向けての期待感が強まっている。ところで、ここ最近の専門店の販売状況はどうだろうか。

「売上げは昨年に比べると少し伸びています。仕入値の方は一時より少し下がっていますので、原価率は高いけれども経常利益は悪くないと思います」

近年、外国人観光客の話題がメディアによって取りあげられるが、貴店でのインバウンド対策、また販売促進についてはどのようなことを行っているのだろうか?

「インバウンドのお客様についての対応としては、店のウエブサイトに英語、中国語、韓国語のページを載せております。また店内にも3か国語のメニューを置いております。一方、販促については原点に立ち返り、美味しい料理とお客様が快適に過ごす事が出来るような接客と店のしつらえに、常に気を配っております」

ちなみに貴店で扱う、うなぎに対するこだわり、あるいは考えなどはあるのだろうか。

「良い鰻の定義はなかなか難しいのですが、旨みが乗って、硬からず、柔らかからず、程よい噛みごたえ(たとえて言えばクリームコロッケではなく、じゃがいもコロッケといいますか)。そして程よく脂が乗って、皮が薄くさくっと切れて、皮下脂肪が少ない物が良いと思います。当店は国産鰻のみを使っています。田舎の方ではお客様がイメージ的に国産にこだわっている方が多いようです」

ところで昨今、“絶滅危惧種”だの“ワシントン条約”だのウナギ資源保護・管理問題についてたびたび、取りあげられているが、この件についてはどのようなご意見があるだろうか。

「ニホンウナギ完全養殖の商業化については先日、国立開発法人水産研究・教育機構の増養殖研究所南伊豆庁舎を見学してきました。研究者の皆さんが情熱を持って一生懸命取り組んでおられ、とても頼もしく感じました。1日も早い人工種苗技術の確立が待たれるところですが、もう少し時間が掛かるようです。研究所に対してはもっと、“業界をあげて応援しています”というメッセージを伝えた方が良いと思います」

一方、ウナギ資源問題と同様、根深い問題の一つで頭のいたいウナギ職人不足についてはどのような考えを持っているだろうか。

「当店でも従業員不足に悩まされるようになってきました。やはり労働環境の改善などで飲食業界全体のイメージをもっと上げていかないとだめではないかと思っています」

取り巻く環境が大きく様変わりする中、今後はうなぎ専門店としてどうあるべきだろうか?

「鰻専門店として生き残りを図るには、先ずは飲食店として、そして接客業としてお客様が代金を払った上に『有難う楽しかったよ』と帰り際に言っていただけるような総合的な店作りが大事ではないかと思います。その上で専門店としての工夫や話題づくりのアイデア商品の開発等もしていくのが良いかと思います」

[データ]
「北御門」
〒854-0011 長崎県諫早市八天町4-3
電話:0957-22-0167

北御門 孝廣 ブログ用.jpg

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