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美味!!「鯉」メニューのお店2〈2016年4月15日号掲載〉 [本紙記事/速報]


伝統の味を守ってお客様に納得していただく

「どぜう 桔梗家」(東京都墨田区)
堀木 章夫代表

連載企画「美味!!『鯉』メニューのお店」。今回はどじょう鍋をメインとして鯉のあらいやあら煮、うな重などの川魚料理を提供、東京・両国で80年以上続く老舗料理店「どぜう 桔梗家」を訪問。長年にわたって伝統の味を守り続けている堀木章夫代表に、メイン商材であるどじょうも含めて料理の特長や老舗ならではのこだわり、今後の展望などについてお話を伺った。

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「どぜう 桔梗家」は昭和8年5月に創業、今年で63年を迎える。
「元々は祖父が和菓子屋をしていましたが、あまりメジャーではなく、かつコンスタントにお客さんが来店する商売はないかと考え、昭和8年にどじょう屋に切り替えました」。
堀木代表はどじょう屋を始めた経緯についてそう話す。メインメニューは「丸なべ」「骨ぬきなべ」「柳川なべ」だが、やはり一番の売れ筋は「丸なべ」でほとんどの客が注文。また、うなぎでは「極上うな重」や「特上うな重」、鯉では「鯉あらい」「鯉あら煮」「鯉こく」が人気だ。客層は主に50代〜60代以上の高齢層。およそ9割が常連客だが、最近では若い客も増え、一人で来店する女性客もいるという。堀木代表が「地方にはどじょう屋はあまりないので、東京に観光に来たときに寄ってくれるお客さんも多い。どじょうや鯉はビタミンDやたんぱく質、コラーゲンも含まれていて肌にもいいし、ぜひ味わってもらいたい」と話すように、若い客や女性客が増えている背景には健康や美容といった理由があるようだ。

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料理へのこだわりについて、堀木代表は「もちろん当店の仕込みにもよるけど、川魚は生きた状態で仕入れて調理するのでやはり産地と新鮮さが最も大切。また、和菓子屋だった影響で全体的に少し甘口なのが特長です。昔はこってりした甘口でしたが、お客さんの好みによってはあっさりした甘さもいいだろうとバランス良い味付けにするようにしました」と説明。特に鯉のあらいに関しては、湯洗いするときの湯の温度をやや低くすることで身が締まり、鯉そのものの旨味をより出しているという。

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一方で、「バブル景気のときはサラリーマンのお客さんも大勢来て忙しかったけど、当時と比べれば今は少ない。まだまだ消費は戻っていません」と、消費低迷の厳しさにも言及した。
それでも80年以上も続いている理由については「下町の食文化の中で育った『どじょう』という料理を守っていきたい、続けていきたいという気持ちがあるからだと思う。お客さんから『どじょうの天ぷらはないの?』と聞かれたことがあるけど、忙しくて作れなかったらお客さんを裏切ることになるし、メニューもほとんど変わっていません。川魚以外は扱わないというのも創業時からのこだわりです」と話す。

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また、消費の拡大も喫緊の課題だが、「新しいメニューを考えるよりも、お客さんに『来てよかった』と納得してもらえる料理を出すことでしょう。家庭的でアットホームな雰囲気も当店の魅力なので、お客さんも来店しやすいと思います。『川魚は泥臭い』という先入観で苦手なお客さんでも『初めて食べたけどこんなにおいしいんだ』という反応がほとんど。当店でその魅力を堪能してほしい」と、伝統の味を守り続けることの大切さを強調する。

「若い世代に向けてもっとPRするのも大切ですが、基本は味に納得してもらうことです。多くの選択肢がある中でもどじょうを選んでくれているんですから、味が変わって常連さんが離れてしまわないよう、新鮮な材料、当店の誠意と真心を失うことなくこれからも続けていきたいですね」。
堀木代表は力強く目標を語った。

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