So-net無料ブログ作成

「蒲焼店が考える“これから”」112 〜2017年10月15日号掲載〜 [蒲焼店が考える“これから”]


飯野 信一専務取締役
(魚庄/埼玉県蓮田市)

『若い経営者同士が集まれる場が必要』

これまで仕入れ値が高値安定で推移し、一昔前よりも利益率などが圧迫されていることが予想されるが、昨今の売れ行きは昨年同時期と比べてどうだろうか。
「ウナギの使用量は一割増しです。高値安定ではありますが、一時期より下がっています。昔ほど利益はありませんが、経営を圧迫するほどではありません」。

仕入れ高を背景に販売状況も厳しいなか、販促あるいはインバウンド対策は何か実施しているのだろうか。
「確かにインバウンド消費は増えていますが、今のところは特に対策はしていません」。

産地に対するこだわり、あるいは、貴店にとって〝良いウナギ〟とはどのようなものだろうか。
「4尾サイズを使用しています。当店では常に『国産』と謳っているわけではありませんが、消費者の国産志向が強いため国産を使用することが多いです。養鰻業者に対してはただウナギを養殖するだけではなく、常に良い品質のものを作っていただくことを望みます」。

昨今はウナギ資源問題が取り沙汰されているが、資源保護・管理問題についてはどのような意見があるか。
「資源保護については、ニーズはあるとは思いますが、大手の加工場などの稼働をできるだけ控えていただきたいと思います。また、大手のスーパーや量販店でも極力販売量を抑えることが必要ではないでしょうか。インターネットなどの普及によって販路が広がり、かつデフレ経済が続いてもいますが、少々値段が高いとはいえ、やはりウナギは専門店で食べるべきものだと思います。管理問題についても、まだまだ専門店ではわからない部分が多いので、シラス流通などの透明化が必要です」。

ウナギ職人の不足問題も深刻化しているが、不足の要因や人材の育成・確保についてはどのような考えがあるだろうか。
「若い人の飲食店に対する〝ブラック企業〟的な印象、和食への意識の低下、イタリアンやフレンチ、パティシエに憧れる傾向が要因だと思います。一昔前は技術職で覚えてしまえば生活していけましたが、情報化社会で何年もかけて覚えるという行為が今の時代に合ってないのかもしれません。当店ではなるべく早くウナギに触ってもらい、後輩も先輩に何でも聞けるような環境を作り、一人一人がやがては経営者になれることを目指して育てています。そのためには一つの教え方ではなく、その人その人に合った教え方をしていくべきでしょう。入社したものの、現実の厳しさとのギャップに耐えられずすぐに辞めてしまうケースもあることを考えると、専門学校での教え方にもテコ入れが必要ではないでしょうか」。

鰻専門店として今後、何をしていくべきか。
「『お客様に対して美味しいものを提供する』という、料理をするうえでの心得を常に心がけるべきです。従業員の拘束時間の改善など、人手不足解消のためにどうすれば人材が増えてくれるかも考えなくてはいけません。ウナギは歴史ある食文化ではありますが、古い体質に捕われず、時代に合った経営をしていくべきでしょう。お店を継ぐ大変さもあるので、特に若い蒲焼店経営者同士が集まれるコミュニティーをもっと増やしてほしいと思います」

[データ]
「魚庄」
〒349-0112 埼玉県蓮田市川島777
電話:048-768-2468

魚庄、飯野氏.jpg

nice!(2) 
共通テーマ:ニュース

nice! 2