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「蒲焼店が考える“これから”」115 〜2017年12月5日号掲載〜 [蒲焼店が考える“これから”]


島田 歩代表
(鰻専門店 愛川/東京都新宿区)

『いかにお客様に楽しんで満足していただくか』

今年4月にオープンした「うなぎ専門店 愛川」。仕入れ値は高値安定で推移する中、利益率の圧迫等はどうか。
「オープン当初の仕入れ値を元に夏場の値上がりを想定、4尾5,000円/kgを設定。それをもとにメニュー価格を形成したので、利益率がそれほど圧迫されていません」。

販促やインバウンド対策は?
「インスタグラムをはじめ、ツイッター、フェイスブックなどSNSを積極的に活用しています。地元、あるいは全国向けのフリーペーパーにもお店の情報を掲載しました。オープンして間もないですから、多少の出費はありますが、“まずは認知していただく事”を念頭に働きかけています。またインバウンドに関しては、メニューに英語を併記、お料理の写真を掲載、店頭にも料理の写真を貼り、注文し易いようにしています。また中国のバイトの子に通訳してもらったりもしています」。

ところで〝良いウナギ〟とはどのようなものか?
「やはり臭みがなく、あとは背と腹の色がはっきり分かれているもの。割いていても庖丁が乗っかり、脂の乗りも程よく、焼いているときに細かい脂が滲み出てくるんです。また扱いサイズは4.5尾、5尾で、国産のみ使用していますが、これはお客様の国産に対する要望の強さです。電話でのお問い合わせ、また店に入って“国産を扱っていますよね?”といった場面が多く“国産ですよ”と応えると安心される感じです」。

昨今、懸念されているウナギ資源問題についての意見は?
「自分が行える事は小さいですが、1本、1本を感謝しながらロスが出ないよう、丁寧に調理する事、また限られた資源であるウナギを余す事なく扱うため、くりから、かぶとといった串系のメニューも充実させています」。

資源と同様、深刻の度合いを高めるウナギ職人不足。その育成や確保については?
「やはり、魅力的な部分を積極的に見せていくことでしょうか。私自身32歳ですが、自分が格好よく調理している場面を見せる機会を増やし、少しでも興味を持ってもらう事が大切。同時に、ウナギ業界に引き入れるよう、積極的に働きかける努力も必要だと思います。うなぎ職人になるよう、背中を押す人、そして引っ張っていってくれる人が必要ではないでしょうか」。

専門店を取り巻く環境が一変する中、〝鰻専門店〟として今後、どうあるべきか、何をしていくべきか?
「伝統的な仕事を守っていく事は当然ですが、それには今の時代に合った新しい事を取り入れていく事も大切。自分は20歳の頃から、よく池袋の『かぶと』、『うな鐵』に足を運んでいて、“うなぎ串を扱いたい“と思っていましたし、また関東風・関西風と食べ比べ出来るようにもしています。昨今、”うなぎは高級品“という時代ですので、いかにお客様に楽しんで満足していただくか、それを真剣に考えていく事がより重要だと思います。あとは”おかげさま精神“を持ち、常に感謝の気持ちで仕事を行っていく事が大事だと思います」。

[データ]
「鰻専門店 愛川」
〒169-0075 東京都新宿区高田馬場1-17-22
電話:03-3200-3717

島田歩代表 のコピー.JPG

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