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美味!!「鯉」メニューのお店19〈2016年11月15日号掲載〉 [鯉シリーズ]


さいたま市南区 
うなぎ川魚料理店「小島屋」

鯉の魅力、栄養価をいかにアピールするか

今号の「鯉シリーズ」は、さいたま市南区の創業200年以上の老舗川魚料理店「小島屋」を訪問。稲垣武博総料理長に鯉料理のこだわりや、鯉の消費の変化などについてお話を伺った。

「小島屋」はJR京浜東北線の「南浦和駅」から車でおよそ10分。幹線道路から細い道を入った住宅街の中にある。老舗旅館のような広々としたずっしりと重みのある店構えが特徴だ。

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老舗旅館のような店構えが特徴の「小島屋」の外観(上)と店内(下)

提供する鯉料理は「鯉のあらい」と「鯉こく」の2品。産地は群馬県・福島県・栃木県などさまざまで、1尾の重さは1.2〜1.5kgほど。1尾から「あらい」なら5〜6人前、「鯉こく」なら4人前が調理できる。稲垣総料理長は「川魚は生きた状態でさばかないと商品になりません」と、鮮度に神経を使っていることを強調する。

「あらい」は酢みそにしょうがが付くが、これはかつて周辺が田畑に囲まれていて、畑で収穫されたしょうがを使用していたことの名残。しょうがの香りで鯉の臭みをやや抑えるという。骨を完全に抜くと身が崩れてしまうので、客が気にならない程度に骨を小さくしつつ、独特の歯応えは残すのもこだわり。また、「鯉こく」のみそも手作りだが、みそ自体を完成させるのに3〜4ヶ月はかかるため、年に1〜2回しか作ることができない。

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「鯉のあらい」(上)と「鯉こく」(下)

「発酵が進まないといい味が出ませんので、実際に料理に使用するのはさらに先になります」。
材料の高騰で「鯉こく」1人前を作るのにも原価がかかるが、手間をかけているとあって利用客からは「懐かしい味だ」と好評だ。ただ、10数年前に発生したKHVの影響で消費は確実に減っているという。一時より戻りつつあるものの圧倒的に高齢者が多く、若い世代は食わず嫌いのような傾向がある。

消費拡大に向けて、稲垣総料理長は「鯉は海水魚と比べて華やかさに欠け、調理法も限られています。鯉の魅力や栄養価をどうアピールしていくかが重要でしょう。川魚料理自体が珍しいことで消費が伸びていく可能性もないとはいえませんが」と話す。「小島屋」はメニューの種類が比較的少ないが、逆にそれによって鯉料理に注目が集まる仕掛けになっている。

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1尾の鯉から「あらい」なら5〜6人前、「鯉こく」なら4人前が調理できる。

一方、うなぎについては3P〜4Pの太ものが主流で、産地は鹿児島・愛知・静岡など、その時期に最もよい素材を使用。炭火でパリッと香ばしく焼き上げた身の厚い大ぶりのうな重で、利用客からも「食べ応えがある」と満足する声が寄せられている。特に土・日はここ数年、「子どもにおいしいうなぎを食べさせたい」という家族連れで賑わいを見せており、子どもがおいしそうにうなぎを頬張る様子を見ると「今後消費が伸びる可能性はある」と感じるという。

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「もちろん、資源問題や完全養殖の実現化といった問題もありますが、それらが解決できればうなぎに関してはまだ望みはあるのではないでしょうか」。
少子化が進んでいるからこそ、鯉についても特に将来の消費を担う子供たちにその魅力をどうアピールしていくか、知恵を絞る必要があるだろう。

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「小島屋」の小嶋正行社長(上)と、稲垣武博総料理長(下)

うなぎ川魚料理店「小島屋」
〒336-0015 さいたま市南区太田窪2166
電話:048-882-1382

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