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美味!!「鯉」メニューのお店28〈2017年3月25日号掲載〉 [鯉シリーズ]


若年層からの需要も増えるウナギ・コイ

埼玉県川口市 鰻・割烹料理「竹江」

今号の「鯉シリーズ」は埼玉県川口市の、鰻や鯉をメインに扱う「竹江」を訪問、磯明生代表取締役に、料理のこだわりやサービス面での工夫などについてお話を伺った。

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「竹江」の外観

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大広間の様子

「竹江」は今年で創業から39年、来年で40年の節目を迎える。父の後を継ぎ、磯代表は二代目。
鯉料理は基本的に「鯉のあらい」一品だが、事前に予約をすれば「鯉こく」の注文も可能。単品のほか、4,500円〜7,000円まで500円ごとに設定された6種類のコース料理にもすべて含まれている。以前は「鯉のあらい」のみだったが、十数年前に鯉ヘルペス(KHV)が発生した際、利用客から「『鯉のあらい』を『刺身』に変えてもらえないか」という要望が寄せられたため、現在は「刺身」など4品目から選択できる。それでも「鯉のあらい」を注文する客が圧倒的に多い。

「その当時も鯉が好きなお客様はあまり気にされない様子でしたが、それでも4〜5年は需要が減りました。それ以降は何とか戻ってくれましたが」。

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「鯉のあらい」

産地は群馬県が多く、1尾の重さは1.2kgほど。大きすぎると骨が当たり、小さすぎても貧相に見えてしまうため、ほぼ中くらいの大きさを使用。独特のプリッとした食感が特長で、磯代表も「身が反っている形はまるで生きているようです。作りたてのあらいは特に甘味がありますから」と強調。

以前は注文する利用客は年配者が多かったが、ここ四〜五年で若い客にも広がっているという。「鯉は川魚料理屋でしか出すことができません。若いお客様にもご注文いただけるのは嬉しいことです」と、磯代表も笑みを浮かべる。

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鯉の尻尾を使った「鯉の唐揚げ」。夏場からメニューへの導入を検討している

一方、うなぎは鰻重が「梅(並)」「竹(上)」「松(特上)」「桜(大串)」「桐(二段重)」の5品目、蒲焼は「竹」「松」「桜」の3品目を提供。産地は宮崎・鹿児島県が大半を占め、利用客にもわかるよう、店の玄関前にその日使用している鰻の産地を表示している。使用サイズは「桜」が3.5P、「竹」が5P、「梅」とコース料理は6P、「松」が1尾と4分の1など細かく使い分けている。鯉と同様にここ数年は若い利用客からの注文も増えているが、その理由について磯代表は「確かに高いですが、当店では決して金銭に余裕があるお客様しか注文できない値段ではないからだと思います。うな重は一杯で満腹になることも大きいのではないでしょうか」と話す。

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「うな重」

「お客様からも『美味しい』という声をいただいています。常連のお客様が多いですが、最近は家族連れや若いカップルなど客層も広がってきました」。
今のところ、店のホームページなどは用意していないが、ブログやフェイスブック・ツイッターなどSNSで情報を収集して来店する若い客が多いようだ。

「末長くお客様にご来店いただくのはありがたいですから、若いお客様が増えたことは大歓迎です。以前と比べて仕入れ価格は倍になっているので、売価も3回に分けて少しずつ上げさせていただきましたが、もちろん倍に引き上げることはできません。より多くのお客様にご来店いただくにはなるべく安くご提供しないといけません」。

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そうした影響もあって、年間で扱うウナギの量は5tにも及ぶ。若い利用客が増えているため、夏場は客が集中して毎日が日曜日のような忙しさを迎え、売上が倍に。特に川口市内は寺院が多く、土日祝日は法事などで常に賑わいを見せる。

また、店の西側を流れる、荒川につながる見沼代用水では昔は天然のウナギが豊富にとれたことから、店の一角に「魚供養之碑」を設置。毎月1日にウナギやコイの供養も行っている。

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敷地内に建つ川魚供養碑

利用客により快適に過ごしてもらおうと、現在店舗を改装中。新館には新しいじゅうたんを敷き詰めた。

「お客様にご来店いただくには雰囲気・接客・設備など、やはりサービスが必要です。ただ、うなぎは古くからの食文化ですから、床の間や入口の植木など、昔ながらの雰囲気は残しながら改装を進めています」。

和の風情はそのままに、新しく生まれ変わる店舗で利用客を出迎える。

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磯 明生代表取締役

鰻・割烹料理「竹江」
〒334-0001 埼玉県川口市桜町1-5-3
TEL:048-283-8812


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