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美味!!「鯉」メニューのお店6〈2016年6月5日号掲載〉 [鯉シリーズ]


「日本橋ゆかり」(東京都中央区)

「時代に合った新しい食べ方の提案を!」

美味!!「鯉」メニューのお店シリーズ。今回は東京・日本橋の高級和食割烹「日本橋ゆかり」を訪問した。同店の目玉であるであるコース料理が毎月その時季の旬の食材を利用した料理に変わり、いろいろな味を楽しめるのが特長。5月は鯉の旨味と米の甘さで味を整えた和のポタージュ「結び鯉のお椀」が提供された。三代目の野永喜三夫店主に料理へのこだわりや、鯉の消費拡大のためには何が必要かなどについてお話を伺った。

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「日本橋ゆかり」は昭和10年創業、今年で81年を迎える。JR「東京駅」から徒歩3分、地下鉄「日本橋駅」からは徒歩1分と、ターミナル駅からは至近距離。伝統と流行が同居する日本橋という場所柄、周囲には古くからの飲食店や最新のオフィスビルなどが立ち並び、常に多くのサラリーマンや観光客が行き交う。

賑やかな場所の中で、「日本橋ゆかり」は大通りから一本入った細い道に独特の落ち着いた雰囲気を醸し出していた。平日は主に企業の接待、土曜日は家族の結納などで来店する客が多く、特に50代〜60代の利用客が多いという。

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目玉であるコース料理は毎月その時季の旬の食材を利用したメニューを提供。5月は同店伝統の味、縁起物の鯉を使った「結び鯉のお椀」が提供された。

「長野県佐久産の鯉を骨切りにし、粥状にした米で白さと濃度をつけています。ほのかに感じるお米の甘さと鯉の旨味に一番出汁と白味噌で味を整えました。まるで和のポタージュを思わせるまろやかなコクと旨味、ホワッとした独特の食感が自慢です。鯉は皮と骨との間に旨味がありますが、その旨味がよく出ています」。

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3代目の野永店主は料理の特長についてそう説明する。毎月違ったメニューが味わえる店というのは珍しいが、その理由について野永店主は「若い世代のお客様や外国人のお客様でも食べやすいようにするには、時代に合った食べ方を提案すべきではないでしょうか。洗いや旨煮などのオーソドックスなメニューも大切ですが、食材に応じて料理の基本を変えることもできるはずです」と述べ、鯉を見直す機会も必要だという考えを示した。

また、9月のコース料理では「鯉のあられ粉揚げ 大根みぞれ餡かけ」を提供。揚げた鯉にせんべい粉をまぶすことによってサクッとしたちょうどよい食感を出しているのが特長。とろみをつけた餡に大根おろしを入れることによって油っぽさもさっぱりとした味に変わり、野永店主は「言うなれば鯉のカツレツのようなものです」と説明する。

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「食べる機会がないことや泥臭いイメージがあることから、若い世代には鯉はなじみがありません。もちろん食べればおいしいですが。若いお客様に食べてもらうには、フライのようにするなど今までにない売り方を考える必要があります。実際に召し上がったお客様は『これ鯉なの?』と驚かれますが、『おいしい』と好評です」。

野永店主はそう話し、新しい食べ方の提案も必要だという考えを示した。

「全国各地で地元の食材をを生かした料理を販売する『うまいものフェスタ』のようなイベントが開催されていますが、そういった場に出展することで『鯉にもこんな食べ方があるんだ』ということに気づくと思います。地元の食材と合わせれば地産地消にもつながりますし、作り方次第でいろいろな料理ができます。鯉は味は良く栄養もあり、こんな美味しい魚はありません。可能性はいくらでもあります」。
野永店主は鯉の魅力について改めて強調する。

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「若い人は唐揚げが好きですから『鯉の唐揚げ』もブレイクするのではないでしょうか。ストレートに出すだけではなく、一手間加えた料理を提供する必要があるでしょう。鯉の業界でイベントに出展したり、各産地で地元の名産が味わえる催しを開催したりという企画を考えるべきだと思います。『鯉』という素材は一緒でも料理を進化させていくことです」。

野永店主は鯉が秘める将来性についても力強く語った。

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「日本橋ゆかり」
〒103-0027 東京都中央区日本橋3-2-14 KNビル1階
電話:03-3271-3436
営業時間:午前11時30〜午後2時、午後5時〜10時 日曜・祝日定休

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