『うなぎ色川の色川正則社長が浅草・三社祭の“神輿運行責任者”の一人に！』

　　下町情緒溢れる浅草で１４５年の歴史を持つ鰻蒲焼専門店「色川」の６代目・色川正則主人が今日から始まった浅草・三社祭で“神輿運行責任者”として、一肌脱ぐ。
［過去の三社祭の光景↓］

　華やかで活気を見せる毎年恒例の浅草・三社祭（主催：浅草神社奉賛会）で、今年新たに設けられた“神輿運行責任者”の一人に色川正則主人が抜擢された。これは、主催の浅草神社奉賛会（氏子の四十四ケ町と浅草組合で構成）が神輿渡御（とぎょ＝神輿を担ぎ、練り歩く事）をつつなく行う為に、氏子四十四カ町に一人ずつ、責任者を設ける事になったためだ。
　色川社長は「最近は、警察もうるさくてな。華やかで熱気溢れる祭りだから喧嘩やら、何やらいろいろあるんだ。だから、そうしたトラブルなどを防ぐっていう事も含め、責任者が設けられたわけだ。責任者は、茶色の半纏を羽織り、神輿はかつげないんだとよ。ガキの頃から、５０余年、神輿を担いできただけに寂しいといっちゃ、寂しいな。選ばれた以上、神輿をしっかりと見張り、事故のないように配慮したい。担ぎ手は皆、体を張ってるわけで、神輿の力も凄まじい。だから、おれも生半可でなく、体をはって見守るだけよ」と語る。
「ここの連中は、小さい頃からみな知っている奴ばかりだし、他の奴がやってもきっちりまとめてくれるだろうに、気づけば、おれが“神輿運行責任者”になってた感じだよ。だがね、俺にこんな役をやらせたら、危険だよ（笑）」と話してくれた。
　これまでもワッペンを貼った“責任者”はいるにはいたが、まぎらわしいワッペンをつけてる人がいて、いざという時に混乱を引き起こす事もあったという。それだけに、 “神輿運行責任者”が今回、新たに設置されたという。　

▼この色川社長のお祭り好きは三社祭にとどまらない。祭りがあれば、どこへでも駆けつける。とくに、　　岡山県で毎年２月の第３土曜日に行われる西大寺のはだか祭りには、何をおいても岡山へ遠征するという。
［西大寺のはだか祭りの光景↓］

「このはだか祭りも有名で確か今年で５０４年の歴史があるんだ。午後１０時半頃から、白ふんどし、白足袋だけの格好の男たちが境内につめかける。寒空の中で冷水を浴びせられるが、多くの人の熱気で当りは湯気でむんむんするよ。興奮の坩堝と化すのが、夜中１２時。本堂は白ふんどしの男たち数百人で埋め尽くされ、すべての明かりが消されるんだ。あたり一面真っ暗で、宝木というものが投げ入れられる。その宝木を手に入れたものは福男と呼ばれ、その年の幸福が約束されるってんで皆、必死だよ。目で見えない分、その木のにおいを頼りに探すんだ。また５０、６０代、はては７０代以上の人もいるから、こっちも負けられねえよ」と熱い口調で語る。
　
お祭りの醍醐味について色川社長は「五穀豊穣への感謝の気持ちもそうだが、お祭りの独特の活気をはじめ、またお祭りというものを通して、なんて言うかな、“男”ってものをかき立てるんだよな。男同士がぶつかりあって、今まで体の中に淀んでいたものが払拭されて、心と体がすかっとし、気持ちよいんだよ」と話してくれた。
　最後、色川社長に「それだけ、いろいろな祭りに出てて、体作りはどうしているのですか？」と聞くと、「いや、別段、何もしてないな。ただ、うなぎの買い付けで毎日、よほどの悪天候ではない限り、自転車で築地まで行ってるよ」とさらりと答えてくれた。
　ともあれ、今日から華やかで活気ある三社祭が始まった。“神輿運行責任者”の大役を担う色川社長の勇姿を一目見るなら、浅草・三社祭に是非、足を運んでみてはどうだろうか。
　

▼色川社長は最後、仕事に対する心構えとして、こんな言葉を話してくれた。
「えらそうな事はいえないが、自分のやるべき事はきっちりとやる、自分の責任はきっちり、果たす事。それだけだな。俺はうなぎ屋だから、きっちりとした原料を仕入れ、炭火でしっかり焼き上げ、基本に忠実に仕事をする。商売とはお客さんにかわいがってもらわなければいけないから、俺は商品でサービスを与える。まかりまちがっても、リップサービスじゃないぞ。あとは、自分の仕事に誇りを持つ事だね、“おれのところは日本一のうなぎ屋だ！”ってね。そんな日本一なら、百人、千人いたってかまわない。自分の仕事に対するそうした誇りが大切なんだよ」。
［色川ご主人、店舗全景、鰻重【炭火でしっかり、焼き上げ美味しさ抜群！】］

［店内に張ってあった色川主人のポスターを撮りました♪］

色川主人、お忙しい中、いろいろとありがとうございました！
『うなぎ色川』
〒111-0034
東京都台東区雷門２−６−１１
TEL[phone]