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「蒲焼店が考える“これから”」121 〜2018年10月5日号掲載〜 [蒲焼店が考える“これから”]


渡部 幸和料理長
(うなぎ わたべ/東京都文京区)

『業界全体をより良くするための仕組み作り』

2019鰻年度に入り、1ヶ月余り。ウナギの消費も落ち込み、活鰻相場も9月より、じわり下がり始めた。こうした仕入れ値の変化の一方、貴店のメニュー価格に変更はあったか。
「当店では値上げをしていません。年明け1,2月と相場は暴騰し、“夏にまた上がるだろう”という産地からの情報も聞いており、その時に値上げようとそれまでは値上げをしまいと決めました。7,8月と結局は大幅な値上げもなく、9月には周知のように値下がりました。値上げをしなかったことは苦しかったですが、結果的に他店との差別化を図れ、売れ筋のうな重(アミ串/原料3.3尾)も4,212円(税込)を維持しています」

ところで、貴店では販促を行なっていますか?
「結論から言えば、とくにしていません。たまにSNSで少しアピールする程度です。ただ、2年前の今頃、ウナギのサイズアップ、また品質向上を考えていて、当店のタレともマッチしたこともあり、思い切ってウナギの仕入れ先を変え、そのタイミングでミシュランガイドに掲載されたのがPRにつながり、じわりお客様が増えています。PRするにしても“うるさくならない”程度に自然な形で行えればと思います。またインバウンドは全体の5%程度ですが、メニューには英語の表記、弟の善隆店長も英語を話すことが出来るので、うまく対応しています」

貴店が扱うウナギの産地は?
「産地の方に“その都度、良質なものを”とお願いし、活鰻を仕入れています。時期によっては中国産を扱うこともありますが当初、自分自身が持っていたイメージと異なり、品質面など遜色もないですね」

昨今、ウナギ資源問題が取りざたされているが、資源保護に対しての意見は?
「あれだけ資源問題が取り上げられているように、当店では天然ウナギを扱っていません。ただ、“天然=美味しい”というイメージが強烈で、天然ウナギの使用を通してお客を呼ぶ動きもあるようです。これらの根本には、構造的な問題があるのだと思います。例えば、スーパー、あるいはコンビニ向けに大量に養殖したものを加工するため、シラスを多獲するわけです。一部では大量廃棄の問題もありますが、決して“採ってはだめ”ということではなく、極力“無駄”のないような漁獲、流通を考えた仕組みを構築していくことが大事だと思います。そうしたことをきっかけに資源が保護され、将来、胸を張って天然ウナギを使用できる機会もくるかもしれません」

資源と同様、懸念されるウナギ職人不足、何が原因か。
「やはり、受け入れ側の体制を変えることにあるのではないでしょうか。拘束時間が長くて給料が安いのなら、やはり人は寄ってきません。フレンチをやっている先輩がいるのですが最近の若い子は入ってすぐやめてしまうらしいです。“賃金”と“休暇”の2つの改善が今後もっと大切になってくるのではないでしょうか」

厳しい業界のなかで専門店として生き残っていくにはどうすべきか。
「業界全体をよりよくしていくためのアイデアは、多くの皆さんが常に考えていると思います。しかし、そうした意見を汲んでくれる場、機会がありません。お客さんを大切にすることは無論ですが、一方で業界全体をより良くしていくことも重要です。そうした業界の仕組み作り、あるいは強化がより大事になっていくでしょう」

[データ]
「うなぎ わたべ」
〒112-0002 東京都文京区小石川1-9-14
電話:03-3812-7448

渡部幸和料理長ブログ用.JPG

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「蒲焼店が考える“これから”」120 〜2018年5月10日号掲載〜 [蒲焼店が考える“これから”]


若林 礼子さん
(うなぎ若林/山形県鶴岡市)

『安易に安売りせず、ブランド力高める』

今シーズンのシラスは2013年と同水準の大不漁となった。年明け早々、1,2月と活鰻相場は暴騰し、現在、史上最高値を示している。専門店間でも早いところでは2月、遅くても新年度の4月から、メニュー価格を相次いで値上げするなど仕入れ高に対応した動きが目立っている。貴店での対策はどうだろうか?
「当店では5年前に値上げした時点の仕入れ値と現状が同等で踏み止まっている為、現時点では値上げやメニューの変更はしておりません。今後については検討中です」

厳しい販売環境のなかで、貴店では販売促進や、あるいはインバウンド対策などを実施しているのだろうか? 
「県や市の観光PR事業、インバウンド対策への積極的参加、FaceBookなどSNSでの宣伝を行なっています。お客様ご来店時は英語のメニューや指差し応対表を活用しています」

年明け早々、シラス大不漁の影響から、国産供給が一気にタイトになり、代わりに中国、台湾産活鰻といった海外産の依存度が急激に高まったことは記憶に新しい。そうしたなかで貴店の国産、中国産、台湾産に対して、どのような見解をお持ちだろうか?
「お客様から直接、聞かれることもあり、基本的には国産を使用しております。今年に入り、入荷がさらに難しくなっている ため、台湾産など海外産の安全性の周知徹底により、お客様のご理解が得られれば検討する必要があると考えています」

ところで、近年進んでいるニホンウナギの資源保護管理。エリアによっては天然ウナギの漁獲規制など行われているが貴店の”管理問題”に対する意見はどうだろうか?
「当店では天然ウナギを使用していません。他水産物同様、海外の水産物需要の増加、黒潮の変動や、異常気象、林業やダム・河川など自然環境の変化、様々な要因が影響していると考えられます。大きな枠組みにおける情報共有と研究、また一般の方への周知を行っていけたらと思います」

近年、深刻の度合いを高めるウナギ職人不足(※今シーズン、シラス大不漁による相場高騰、供給懸念から職人のリストラの話あり)。その育成や確保についての意見は?
「私自身、修業中の身ですが、商材の高騰でなかなか練習が出来ないという部分はあります。また現状からみて、先行きの不安から鰻一本で勝負するのは難しいのではないか、とも思っています。しかし、他飲食業との差別化は充分に図れるので、専門職としてのPRと価値の向上が鍵となるのではないかと思います」

シラス大不漁による資源問題の不安、相場高騰、供給懸念など、販売を取り巻く環境は一変しているなか、専門店として今後、取り組んでいくべきことは何だろうか?
「今や高級魚となった鰻です。安易に安売りを行うのではなく、ブランド力を高めてお祝いやハレの日の物として PR する方が良いのではと思っています。一方で、召し上がった事のない方でも気軽に本格的な味を楽しめるメニューの開発も今後、行っていく必要があると思います」

[データ]
「うなぎ若林」
〒997-0015 山形県鶴岡市末広町11-9
電話:0235-24-3701

若林礼子さん/うなぎ若林.JPG

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「蒲焼店が考える“これから”」119 〜2018年4月15日号掲載〜 [蒲焼店が考える“これから”]


横山 純哉代表取締役
(うなぎ会席 藍の家亭/東京都大田区)

『資源確保のために働きかけることが第一』

今シーズンのシラス大不漁。メニュー価格の値上げなど、対策の実施は?
「仕入れ価格上昇に伴い、当店では三月一日より販売価格の変更、メニュー改定を実施しました。また、鰻を大きいサイズに変更、さらに蒲焼きの大きさに応じて展開するメニューも変更しました」

販促やインバウンド対策は? 
「今までご来店いただけなかった層、またよくご来店いただいているお客様に当店のことをよく知っていただけるように、インスタグラムをはじめとするSNSを利用した販促を実施しています。また、海外のお客様がご来店された際には英語表記のメニューを用意しています。当店のある蒲田近辺には電車やバスなど羽田空港までの直結便があり、海外の方でも安心してご来店いただけるような対策もしていきたいです」

貴店の国産、中国産、台湾産に対する見解は?
「主に国産を使用し、時期によっては台湾産を使用することもありました。シラスの歴史的大不漁を受け、外国産を使用する専門店も今後増えていく中で、外国産の安全性も伝えていく必要があると考えます」

ところで”管理問題”について、の意見は?
「天然の使用は考えておりません。資源問題解決のためには、まず生態を学んだ上で解決策を見出すべきではないかと考えております。研究をされている先生方の著書や講義を拝聴し学ばせていただく中で、ウナギを守り、絶滅させないための保護活動を通して一般の消費者にこの危機的な実態を伝えたい、と考えています。現在、当店でも何らかの形での募金活動を考えており、それが完全養殖か自然保護かなど含めて検討しています」

近年、深刻の度合いを高めるウナギ職人不足。その育成や確保についての意見は?
「シラス捕獲量減少や価格高騰などのニュースから、特に若い方は、その魅力を上回る不安を抱かれているのではないかと危惧します。ですが、うなぎ料理は日本の伝統的な食文化の代表として、世界に誇る素晴らしい料理であると自負しております。この業界に携われることに、喜びと使命感と持っています。若い世代の方にもこの思いが伝わるよう、まずは発信し続けることが重要であると考えます。質の良い料理提供だけでなく、店舗の雰囲気や接客含め店舗全体の価値を高め、売り上げを伸ばしていくことが重要ではないでしょうか」

専門店としての取り組みは?
「今日ほどウナギの資源確保が叫ばれることは今までなかったように思います。今こそ目先の利益を求めるのではなく、資源確保のために働きかけることが第一であると考えます。お客様のお声が直接届く立場であるからこそ、募金活動も含め、SNS等のお客様の目に留まりやすい媒体を利用してこの現状(シラス大不漁・ワシントン条約)を伝えていくべきではないでしょうか。そして、味、接客、雰囲気すべてにおいてお客様の期待以上に満足してもらうためにおもてなしのこころで喜びと感動を伝えていきたいと考えています」

[データ]
「うなぎ会席 藍の家亭」
〒144-0051 東京都大田区西蒲田7-27-5
電話:03-3735-3603

代表取締役 横山純哉 のコピー.png

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「蒲焼店が考える“これから”」118 〜2018年3月5日号掲載〜 [蒲焼店が考える“これから”]


棚田 郁哉店主
(うなぎや/長野県飯田市)

「鰻にはかぶと、ひれなど捨てるところはない」

今シーズンのシラスウナギ漁は、かつてない大不漁に見舞われている。年明けから、活鰻相場はこれまでにない早さで上昇、すでにこの3月の時点で、大不漁だった2013年ピーク時の相場にほぼ横並びとなった。かつ、依然として“天井価格”とは言い切れない現状においてメニュー価格の値上げ、あるいはメニュー内容の変更などの検討はしているのだろうか。
「今までは、内税で対応させていただいていましたが、税別に変更し、消費税分の値上げを現在、検討しております。また、鰻会席の献立に鯉など鰻以外の食材を入れる事で原価を下げようと思っております」

前述のように近年は仕入れ高を背景に厳しい販売状況が続いている。現状において、販売促進や、あるいはインバウンド消費(訪日外国人旅行者)のために何らかの対策を実施しているか。 
「お店をオープンしてまだ一年ですのでまずは知名度を上げるために、パンフレットの作成・配布、また地域の食のイベントに積極的に参加しております。外国人のお客様は少ないので、今はインバウンド消費の対策は行っておりませんが、外国人が増えれば積極的に行っていきたいです」

近年、仕入れ高を背景に厳しい販売状況を強いられる一方、今夏は前半戦の“シラスウナギ不漁”から、国産新仔が絶望的との見方が濃厚のなか、貴店の国産、中国産、台湾産(※どれも同じニホンウナギ[アンギラ・ジャポニカ種])に対する貴店の見解はどうだろうか?
「以前、私どもでは、国産に関して新仔に合わせて7月頃から10月いっぱい、11月上旬からは中国産を扱って来ました。しかし、ヒネの方が『こく』があり美味しいと喜ばれますのであえて新仔にこだわりはありません」

ところで昨今は、今シーズンのシラスウナギ大不漁も相まって、これまで以上にウナギ資源問題が大きくクローズアップされている。専門店間では近年、天然ウナギ不使用の動き、完全養殖の商業化に向けた研究機関、最近では、天然ウナギの生息環境整備に関連する”石倉カゴ”設置費用に向けた募金の活動などが見受けられる中、“資源保護・管理問題”に関して、どのような意見を持っているか。
「私共の店では天然物は使用しておりません。全国的に4尾、または3尾など一つ上の太いサイズの物を使用すれば、シラスウナギの頭数は一緒だとしても、使用量が増えるのではないかと考えます」

ウナギ資源問題と同じように近年、深刻の度合いを高めるウナギ職人不足。その育成や確保についての意見はあるだろうか。
「ウナギ職人だけの問題ではなく、目指す魅力があるかないかの問題だと思います。給与、安定、労働時間など他職と比べるところはあると思います。調理の現場を見たり、技術を見てもらうことで、まずは興味を持ってもらう事がとても大事だと思います」

専門店を取り巻く環境は、周知のようにウナギ資源問題はじめ、高値安定となる価格面など一変するなかで、〝鰻専門店〟として今後、どうあるべきなのか、あるいは何をしていくべきなのだろうか。
「大変な現状ではあると思いますが、スーパーから専門店まで“廃棄”という現状が散見される中で、私共料理人に出来る事は、大衆化しない事にこだわり、鰻にはかぶと、ひれ、骨まで捨てるところもありません。ですから、資源を守るという意味だけではなく、お客様に鰻の違った食べ方を知って頂きたいと考えております」

[データ]
「うなぎや」
〒395-0001 長野県飯田市座光寺5-95-1
電話:0265-24-4350

店主・棚田郁哉.JPG

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「蒲焼店が考える“これから”」117 〜2018年2月25日号掲載〜 [蒲焼店が考える“これから”]


小倉 清暢代表取締役
(和風レストラン 小松園/茨城県古河市)

『食文化や無形資産をしっかり伝えていく』

これまでのシラスウナギ漁は、かつてない不漁に見舞われ、活鰻流通価格もこれまでにない早さで上昇した。現時点において値上げ、あるいはメニューの変更などの検討はしているのだろうか。
「現状では、相場は値上がりし続けているので何とも言えませんが、販売価格の見直しや、代替メニューでの対応を行っています」。

近年、仕入れ高を背景に厳しい販売状況を強いられる一方、今夏は前半戦の“シラスウナギ不漁”から、国産新仔が絶望的との見方が濃厚のなか、貴店の国産、中国産、台湾産(※どれも同じニホンウナギ[アンギラ・ジャポニカ種])に対する見解は?
「弊店では、主に国産を扱っていますが、時期によっては品質面を重視し、台湾産、あるいは中国産も使い分けています」

ところで昨今、ウナギ資源問題が大きくクローズアップされている。専門店間では、天然ウナギ不使用の動き、完全養殖の商業化に向けた研究機関への募金活動などが見受けられる中、“資源保護・管理問題”に関して、どのような意見を持っているか。
「ウナギ資源の保護活動、あるいはそうした意識づけを行うことが出来なかったツケが回ってきているように思います。長期的に食文化や無形資産をしっかり守り、伝えていくことが重要になっている時期がきているのではないでしょうか。なお、資源のことに関しては、古河市で農泊事業を進めている団体があり、個人的に協力させていただいています。その拠点となる古民家と敷地を活用した新しい『農産・畜産・水産』地帯を作り上げていくことで地域のコンテンツを増やし、魅力ある農泊事業にすることを目的として進めています。そのなかに川魚生息地帯を作り、親ウナギを育てて自然へ返すというサイクルを生み出そうと、研究機関や企業に相談しています」

ウナギ資源問題と同じように近年、深刻の度合いを高めるウナギ職人不足。その育成や確保についての考え、ご意見はあるだろうか。
「和食全般に通じていまして、技術や知識の価値が対外的にみて、どれくらいのものかが国内で評価されていないことに問題があるのではないでしょうか。また和食などの文化的要素を合わせ持った職人が今後、もっと日本以外で必要とされる時代に入ってくるなか、業界全体としてその意識が低いと感じています。現に、アジアの富裕層は和食に対して高い価値を見出しており、海外出店している5万以上もある和食店に行列が出来ている事実を皆知りませんし、このようなことが何を意味しているか、職人自体が理解できていないようです」。

専門店を取り巻く環境は、資源はじめ、価格面など一変のなか、〝鰻専門店〟として今後、どうあるべきなのか、あるいは何をしていくべきなのか。
「目先の利益よりも長期的に資源を確保、あるいは文化の継承を行なっていく体制づくりが必要。業種を超えて日本文化の継承を目的とした事業形成を是非とも行なっていきたいですね」

[データ]
「和風レストラン 小松園」
〒306-0041 茨城県古河市鴻巣720
電話:0280-48-1245

小倉清暢社長 のコピー.jpg

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「蒲焼店が考える“これから”」116 〜2018年2月15日号掲載〜 [蒲焼店が考える“これから”]


2代目 三瓶 和弘氏
(うなぎ・天ぷら 川松/茨城県古河市)

国内・外産問わず、柔軟な姿勢で美味しく調理を

今シーズンのシラスウナギ漁は、かつてない不漁に見舞われている。活鰻流通価格も国内外産問わず軒並み、上昇するなか、現時点において値上げ、あるいはメニューの変更(詳しく)など、何らかの対応をすでに検討しているか。
「3月をめどに値上げを決めました。うな重の種類を1匹、1匹半、2匹の蒲焼を乗せたシンプルな物にしようと思っています」。

近年、仕入れ高を背景に厳しい販売状況のなか、販促、あるいはインバウンド消費(訪日外国人旅行者)のために何らかの対策などを行っているか。
「今年1月21日に地元の川魚料理店、鮒甘露煮店で構成する『古河の川魚料理を広める会』で“第1回 寒のうなぎ祭り”を開催いたしました。思っていた以上に反響があり、地域の専門店が力を合わせてPRすることは、素晴らしい結果につながるなと実感いたしました」。

ところで貴店では国産、中国産、台湾産(※どれも同じニホンウナギ[アンギラ・ジャポニカ種])のうち、どれを扱っているか。また今夏に向け、国産新仔不足必至のなか、今後をどのように考えているか。
「鰻専門店のイメージが強い為、5尾の国産のみを使用してきました。しかし、シラス不漁の中、今年に入り価格が高騰し、しかもサイズを選ぶ事も難しくなってきました。試しにと思い中国産、台湾産の活鰻をそれぞれ試食してみました。国産に比べて多少味に違いが有りますが、思った以上に美味しいと感じました。そこで、国産を中心にした基本は変えずに柔軟な考えを持ち、その時にある活鰻を使用する事にしました。国産、中国産、台湾産と別け隔てなく、鰻を美味しく調理する事を大切に感じています」

昨今、取り沙汰されるウナギ資源問題。専門店間では、天然ウナギ不使用の動き、完全養殖の商業化に向けた研究機関への募金活動など見受けられる中、“資源保護・管理問題”に関して、どのような意見があるか。
「うなぎを大切に取り扱う事を考えています。夏のイメージを払拭して1年を通して平均に鰻が売れるように考えていく事だと思います」。

資源と同様、深刻の度合いを高めるウナギ職人不足。その育成や確保については?
「ヨーロッパでは調理師は地位が高いと聞いています。誇りを持って仕事に打ち込むしかないと思いますし、そうした姿を見せるしかないと思います」

専門店を取り巻く環境が一変する中、〝鰻専門店〟として今後、どうあるべきか、何をしていくべきか?
「1年を通して美味しいと言われる鰻料理を提供していく事だと思います。お客様が『ハレの日のご馳走は鰻だね』と言って召し上がって頂けるように頑張って仕事をしていきます」

[データ]
「うなぎ・天ぷら 川松」
〒306-0033 茨城県古河市中央町2-8-63
電話:0280-22-7648

川松/三瓶和弘二代目 のコピー.jpg

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「蒲焼店が考える“これから”」115 〜2017年12月5日号掲載〜 [蒲焼店が考える“これから”]


島田 歩代表
(鰻専門店 愛川/東京都新宿区)

『いかにお客様に楽しんで満足していただくか』

今年4月にオープンした「うなぎ専門店 愛川」。仕入れ値は高値安定で推移する中、利益率の圧迫等はどうか。
「オープン当初の仕入れ値を元に夏場の値上がりを想定、4尾5,000円/kgを設定。それをもとにメニュー価格を形成したので、利益率がそれほど圧迫されていません」。

販促やインバウンド対策は?
「インスタグラムをはじめ、ツイッター、フェイスブックなどSNSを積極的に活用しています。地元、あるいは全国向けのフリーペーパーにもお店の情報を掲載しました。オープンして間もないですから、多少の出費はありますが、“まずは認知していただく事”を念頭に働きかけています。またインバウンドに関しては、メニューに英語を併記、お料理の写真を掲載、店頭にも料理の写真を貼り、注文し易いようにしています。また中国のバイトの子に通訳してもらったりもしています」。

ところで〝良いウナギ〟とはどのようなものか?
「やはり臭みがなく、あとは背と腹の色がはっきり分かれているもの。割いていても庖丁が乗っかり、脂の乗りも程よく、焼いているときに細かい脂が滲み出てくるんです。また扱いサイズは4.5尾、5尾で、国産のみ使用していますが、これはお客様の国産に対する要望の強さです。電話でのお問い合わせ、また店に入って“国産を扱っていますよね?”といった場面が多く“国産ですよ”と応えると安心される感じです」。

昨今、懸念されているウナギ資源問題についての意見は?
「自分が行える事は小さいですが、1本、1本を感謝しながらロスが出ないよう、丁寧に調理する事、また限られた資源であるウナギを余す事なく扱うため、くりから、かぶとといった串系のメニューも充実させています」。

資源と同様、深刻の度合いを高めるウナギ職人不足。その育成や確保については?
「やはり、魅力的な部分を積極的に見せていくことでしょうか。私自身32歳ですが、自分が格好よく調理している場面を見せる機会を増やし、少しでも興味を持ってもらう事が大切。同時に、ウナギ業界に引き入れるよう、積極的に働きかける努力も必要だと思います。うなぎ職人になるよう、背中を押す人、そして引っ張っていってくれる人が必要ではないでしょうか」。

専門店を取り巻く環境が一変する中、〝鰻専門店〟として今後、どうあるべきか、何をしていくべきか?
「伝統的な仕事を守っていく事は当然ですが、それには今の時代に合った新しい事を取り入れていく事も大切。自分は20歳の頃から、よく池袋の『かぶと』、『うな鐵』に足を運んでいて、“うなぎ串を扱いたい“と思っていましたし、また関東風・関西風と食べ比べ出来るようにもしています。昨今、”うなぎは高級品“という時代ですので、いかにお客様に楽しんで満足していただくか、それを真剣に考えていく事がより重要だと思います。あとは”おかげさま精神“を持ち、常に感謝の気持ちで仕事を行っていく事が大事だと思います」。

[データ]
「鰻専門店 愛川」
〒169-0075 東京都新宿区高田馬場1-17-22
電話:03-3200-3717

島田歩代表 のコピー.JPG

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「蒲焼店が考える“これから”」114 〜2017年11月15日号掲載〜 [蒲焼店が考える“これから”]


竜田 晃オーナー
(うなぎ日本料理 菊水/福岡県柳川市)

『(職人不足対策は)労働条件を良くしていくしかない』

売行きに関して、昨年同時期と比べるとどうだろうか。仕入れ値は一時期のピークを過ぎたものの、高値安定で推移している。また、一昔前と比べて利益率などは圧迫されているのだろうか?
「売上は減少していますし、利益率も時給の値上げに伴って圧迫されていますね」。

仕入れ高を背景にし、取り巻く販売状況も厳しいなかで、販売促進、あるいはインバウンド消費(訪日外国人旅行者)に対する何らかの対策は行なっているのだろうか?
「特にはしておりません」。

ところで、貴店にとって〝良いウナギ〟とはどのようなものを指すのだろうか。扱いサイズや産地などのこだわりはあるだろうか?
「弊店で扱っているのは、宮崎、あるいは鹿児島産のウナギを使用しています。一方、外国産の品物は使用しておりません。国産の方が安心して食せる事が出来るからです」。

昨今、懸念されているウナギ資源問題。専門店間では周知のように、天然ウナギ不使用の動き、完全養殖の商業化に向けた研究機関、また石倉カゴに必要な費用に関する募金活動などが見受けられるが、資源保護・管理問題については貴店ではどのような意見、考えをお持ちだろうか?
「ウナギ加工業は、冷凍保存で、素焼き(白焼き)・蒲焼の作りだめを行なっていますので、我々一般のうなぎ店では高い値で買わないといけないですね」。

ウナギ文化継承に不可欠なウナギ職人の不足問題も深刻さを増している。その育成や確保についてはどのように考えているか?また、不足している要因は何だろうか?
「労働条件を良くしていく方法しかないと思います。不足している要因として考えられるのは、“熱い”“汚れる”“誇りをもっていない”ことが挙げられるのではないでしょうか」。

専門店を取り巻く環境は一昔前と比べて、大きく様変わりしている。そうしたなかで今後、〝ウナギ専門店〟としてどうあるべきか、あるいは何をしていくべきだと考えているか?
「現在のウナギの価格を下げる訳にはいきませんので、心地よい雰囲気を作り出し、お客様への応対に気をつけ、また活物のウナギを使用し、冷凍ものを使用せず、うなぎにしっかりこだわりを持つ事でリピーターを望んでいます」。

[データ]
「うなぎ日本料理 菊水」
〒832-0024 福岡県柳川市辻町24-6
電話:0944-72-2057

菊水/竜田晃さん(71) のコピー.JPG

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「蒲焼店が考える“これから”」113 〜2017年11月5日号掲載〜 [蒲焼店が考える“これから”]


天宮 純也取締役支配人
(川甚/東京都葛飾区)

『お客様のニーズに応じたより良い時間を提供すべき〝場〟として』

仕入れ値はこれまで高値安定で推移しているが、昨今の売れ行きは昨年同時期と比べてどうだろうか?また、一昔前と比べて利益率などは圧迫されているのだろうか?
「売上は昨年比プラスで推移しています。また、仕入れ値と利益率については、外的要因は厳しいですが、自助努力でどうにか乗り切っております」。

仕入れ高を背景に販売状況は厳しいが、販促あるいはインバウンド消費(訪日外国人旅行者)のために何らかの対策は実施しているのだろうか?
「通年の定番メニューの追加や、季節限定メニューの販売と、それらに伴う販促・営業活動に力を入れています。また、昨年春より送迎バスを導入し、利便性の面でも改善を図りました」。

貴店にとって〝良いウナギ〟とはどのようなものか?また、扱いサイズや産地などのこだわりはあるだろうか?
「サイズは4、6Pと5P、産地は国産を扱っております。大きさと味のバランスがよく、お客様に安心して召し上がっていただくためです」。

懸念されるウナギ資源問題を受け、専門店間では天然ウナギ不使用の動き、完全養殖の商業化に向けた研究機関への募金活動などが見受けられるが、資源保護・管理問題についてはどのように考えているか?
「適切な資源の保護や管理は必要だとは思いますが、実際の食生活と食文化、そして経済活動に与える影響を考慮して行っていくべきではないかと思います」。

ウナギ文化継承に不可欠なウナギ職人の不足問題も深刻化しているが、その育成や確保についてはどのように考えているか?また、不足している要因は何だろうか?
「入ってもすぐに辞めてしまったり、自分の性格と合わなかったら方向性を変えたりするケースが多い印象を受けます。当店では職人は中堅とベテランが中心ですが、これから10年先15年先とお店の将来のことを考えると、やはり若い職人も確保しなければなりません。現代の若者の性向や仕事観、職人を育成するための環境や機会を与えていくことが求められていると思います。また、ここ数年のウナギに関するネガティブなニュースの数々も、マイナス要因として影響しているのではないでしょうか」。

専門店を取り巻く環境は大きく様変わりしているが、今後、〝ウナギ専門店〟としてどうあるべき、何をしていくべきだと考えているか?
「ただ美味しいウナギ料理を出すだけでなく、美味しいお食事を中心に、ご利用されるお客様のニーズやシーンに応じてより良い時間・経験を提供するための〝場〟としてあるべきではないか、と考えております」。

[データ]
「川甚」
〒125-0052 東京都葛飾区柴又7-19-14
電話:03-3657-5151

(株)川甚 天宮純也(取締役 支配人) のコピー.jpg

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「蒲焼店が考える“これから”」112 〜2017年10月15日号掲載〜 [蒲焼店が考える“これから”]


飯野 信一専務取締役
(魚庄/埼玉県蓮田市)

『若い経営者同士が集まれる場が必要』

これまで仕入れ値が高値安定で推移し、一昔前よりも利益率などが圧迫されていることが予想されるが、昨今の売れ行きは昨年同時期と比べてどうだろうか。
「ウナギの使用量は一割増しです。高値安定ではありますが、一時期より下がっています。昔ほど利益はありませんが、経営を圧迫するほどではありません」。

仕入れ高を背景に販売状況も厳しいなか、販促あるいはインバウンド対策は何か実施しているのだろうか。
「確かにインバウンド消費は増えていますが、今のところは特に対策はしていません」。

産地に対するこだわり、あるいは、貴店にとって〝良いウナギ〟とはどのようなものだろうか。
「4尾サイズを使用しています。当店では常に『国産』と謳っているわけではありませんが、消費者の国産志向が強いため国産を使用することが多いです。養鰻業者に対してはただウナギを養殖するだけではなく、常に良い品質のものを作っていただくことを望みます」。

昨今はウナギ資源問題が取り沙汰されているが、資源保護・管理問題についてはどのような意見があるか。
「資源保護については、ニーズはあるとは思いますが、大手の加工場などの稼働をできるだけ控えていただきたいと思います。また、大手のスーパーや量販店でも極力販売量を抑えることが必要ではないでしょうか。インターネットなどの普及によって販路が広がり、かつデフレ経済が続いてもいますが、少々値段が高いとはいえ、やはりウナギは専門店で食べるべきものだと思います。管理問題についても、まだまだ専門店ではわからない部分が多いので、シラス流通などの透明化が必要です」。

ウナギ職人の不足問題も深刻化しているが、不足の要因や人材の育成・確保についてはどのような考えがあるだろうか。
「若い人の飲食店に対する〝ブラック企業〟的な印象、和食への意識の低下、イタリアンやフレンチ、パティシエに憧れる傾向が要因だと思います。一昔前は技術職で覚えてしまえば生活していけましたが、情報化社会で何年もかけて覚えるという行為が今の時代に合ってないのかもしれません。当店ではなるべく早くウナギに触ってもらい、後輩も先輩に何でも聞けるような環境を作り、一人一人がやがては経営者になれることを目指して育てています。そのためには一つの教え方ではなく、その人その人に合った教え方をしていくべきでしょう。入社したものの、現実の厳しさとのギャップに耐えられずすぐに辞めてしまうケースもあることを考えると、専門学校での教え方にもテコ入れが必要ではないでしょうか」。

鰻専門店として今後、何をしていくべきか。
「『お客様に対して美味しいものを提供する』という、料理をするうえでの心得を常に心がけるべきです。従業員の拘束時間の改善など、人手不足解消のためにどうすれば人材が増えてくれるかも考えなくてはいけません。ウナギは歴史ある食文化ではありますが、古い体質に捕われず、時代に合った経営をしていくべきでしょう。お店を継ぐ大変さもあるので、特に若い蒲焼店経営者同士が集まれるコミュニティーをもっと増やしてほしいと思います」

[データ]
「魚庄」
〒349-0112 埼玉県蓮田市川島777
電話:048-768-2468

魚庄、飯野氏.jpg

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「蒲焼店が考える“これから”」111 〜2017年10月5日号掲載〜 [蒲焼店が考える“これから”]


杉田 智昭店長
(うなぎと地酒 まんまる 池袋/東京都豊島区)

『専門店とお客様とのより良い関係を』

新鰻年度が始まり早1ヶ月が経とうとしている。貴店の販売状況はどうだろうか。
「ありがたいことに売り上げ、来客数共に昨年を越えています。一時期に比べるとここ何年かは大幅な変動が無い分相当な圧迫は感じていないです。 鰻の食事のみですと利益率、原価率には大きな圧迫が出てしまうと思います」

一方、貴店における販促、インバウンド対策はどうだろうか?
「川魚問屋直営店の強みを生かして低価格で美味しい物を安心して提供出来る様にスタッフ皆で学びながら お客様にオススメ、提案、提供しています。インバウンド対策では外国語メニューの作成。言葉が伝わりにくい分、丁寧な接客に努めています。お客様の15%は外国のお客様で、うち90%以上は中国の方です。基本は日本のお客様も外国のお客様も同じ様に対応しております」

ちなみに活鰻原料に対するこだわり、あるいは良いウナギとはどのようなものか。
「“良い”ウナギとはお客様が美味しいと言って何度も足を運んで頂けるウナギだと思います。提供側によって好みは異なりますが、新仔の様なウナギではないかと思います。取り扱いサイズは3尾・4尾・5尾、国産・中国産、または台湾産を使用。問屋直営店の最大の強みは本社がその時々で一番良質のウナギの使用が出来ることです」

ところで、昨今のニホンウナギ資源問題に対しての意見はどうだろうか。
「ウナギ完全養殖にまず大きな期待を感じています。資源保護・管理問題に関しては、飲食店は稚魚の池入れ等を含む養鰻業者さん達に委ねる所ではないかと思います。蒲焼専門店飲食店は養鰻業者さんが苦労して育て出荷した鰻を残さない様に消費する事が資源の無駄、管理問題への働きになると考えます。飲食業界は仕入れ値、取り扱う量も資源と養鰻業者さん次第の部分が有ります」

人材問題に関してはどのような考えがあるだろうか。
「技術の継承に時間がかかりすぎ、反復練習が難しいこと、世代交代問題などが深刻な要因だと思います。職人に対する将来的な補償が確立しておらず、引退出来ずに世代交代が出来ません。若い世代は収入が上がらず、負担が増えるためにやめたり、または業界に飛び込んで来ないのではないかと思います。弊社では加工も行っており、飲食店での時間のかかる技術継承に比べて絶対数をこなす事が出来るため、職人育成には強みがあると思います」

鰻専門店として今後、どう乗り切っていくべきか。
「美味しいうなぎをより多くの人に食べて頂きたいのはもちろんですが、美味しいうなぎを提供し、うなぎを通じて専門店とお客様とのより良い関係を築いていくことだと思います。養鰻業者さん、問屋さん、蒲焼屋さん、お客様が良い関係でありたいと思います」

[データ]
「うなぎと地酒 まんまる 池袋」
〒171-0014 東京都豊島区池袋2-13-8 光陽ビル1階
電話:03-3980-5616

まんまる杉田店長.JPG

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「蒲焼店が考える“これから”」110 〜2017年9月25日号掲載〜 [蒲焼店が考える“これから”]


本吉 伸佳取締役社長
(若松屋/福岡県柳川市)

『養鰻業者さんへ、ある程度の痛み分けを』

新鰻年度が始まり早1ヶ月が経とうとしている。気になる活鰻相場は土用丑以降、断続的な値下がりとなり、先安感は強いままだ。

ところで、貴店の販売状況をこれまで振り返ってどうだろうか。
「売行きは昨年同期と比べれば、上がっていると思われます」

一方、貴店では販促、あるいはインバウンド対策など、これまでどのような働きかけを行ってきているだろうか?
「メニュー表を英語、中国語、韓国語の3カ国語で表示しております」

ちなみに商売を行なう上で、大事な要となる、大切な活鰻原料。貴店のウナギに対するこだわり、あるいは良いウナギとはどのようなものなのだろうか。
「素焼きした段階で身が厚く、適度に柔らかく、あまり焼き色がつかないものが良いと思われます。活鰻原料は、国産限定で扱っています。理由としては養殖の状況がわかるからです。また、養鰻業者さんへの要望ですが、我々鰻屋は仕入れ値が上がったからといって、すぐに値段を上げることは出来ません。利益率は圧迫されても、他の水道・光熱費等、出来るところで切り詰めて行なっています。同じ鰻を扱う者同士、ある程度の痛み分けをお願いしたいと思います」

ところで昨今のニホンウナギ資源問題に対して、貴店ではどのような考え、意見を持っているだろうか。
「ウナギ資源問題は、我々にとって死活問題です。1日も早い、完全養殖の商業化の実現を切望しております」

同様に、職人をはじめとした人材の問題に関してはどのような思い、または考えがあるだろうか。
「鰻を焼く、という仕事は決して楽な仕事ではありません。暑く、タレや、炭で汚れ、ヤケド等も日常茶飯事であり、今の若い人がそれに耐えられるか、それが問題の1つではないかと思います」

前出のように近年、ウナギ業界には資源、人材、相場など多くの問題がある。そうしたなか、鰻専門店としての考え、あるいは今後どのようにして、乗り切っていくべきなのか、あるいはどのようなことが必要だろうか。
「日本古来からある、食の1つとして、鰻は日本人に親しまれてきております。その昔からの伝統とワザ、味を変えないように日々、努めていきたいと思っております」

[データ]
「若松屋」
〒832-0065 福岡県柳川市沖端町26
電話:0944-72-3163

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「蒲焼店が考える“これから”」109 〜2017年9月15日号掲載〜 [蒲焼店が考える“これから”]


安孫子 由実取締役副社長
(鮒忠/東京都台東区)

「『日本の食文化(鰻)』の気概持つ」

業界の大イベントである“土用丑の日”(7月25日、8月6日)、その後の8月は東京都心の日照時間が観測史上最短となるなど、かつてない天候不順に見舞われた。昨今の活鰻仕入れ値は7月末に値下がり、8月に入り2度、そして今月一日も下方修正されるなど、先安感は強い。
ところで、貴店の販売状況をこれまで振り返ってどうだろうか。

「今年の売れ行き傾向としては、一番うなぎの出る7月を見ますと昨年同期と比べて約110%の売れ行きでました。理由としては早めの販促活動と販促物の充実、それと国産うなぎにこだわり続けたブランディング効果だと思います。利益率に関しましては仕入れ値が高値で一昔前に比べれば売りづらくはなっておりますが、国産の確かな品質の鰻を提供し続けお値段を頂けるようにしております」

一方、貴店では販促、インバウンド対策など、どのような働きかけを行ってきているだろうか?

「インバウンド消費対策として、特に訪日外国人客の多い銀座店中央通り店・秋葉原店に関しては、メニューと自店のウェブサイトに英語と中国語を表記しています。できることから少しずつですが、安心してご入店いただける環境づくりを行っております」

ちなみに商売の軸となる、大切な活鰻原料。貴店のウナギへのこだわり、あるいは良いウナギとはどのようなものなのだろうか。

「4~5尾を中心にご提供しております。『皮目が薄くやわらかいもの』『身の方もふっくら肉厚のもの』『泥臭さのないもの』が良いと思います。皮目も身も引き締り過ぎたものは、小骨も当るなど扱いにくくなります。国産を取り扱っておりますが、国産はお客様の評価を頂き易いと感じております」

ところで近年、クローズアップされるニホンウナギ資源問題。貴店ではどのような考えを持っているだろうか。

「ウナギが絶滅危惧種に指定されたことで、消費者の方々も『うなぎは高くなってしまったけど、食べられなくなるのはもっと困る』と思っています。『このままではうなぎがなくなってしまうようだけど、どうすればいいのかがわからない』という意識をもっている方も多く、店でもよく聞かれます。『エシカル消費』『倫理的消費』という社会的環境や倫理、道徳的な観点から『持続可能な消費』を意識した商品やサービスを選択する消費行動が欧米では高まっており、日本でも平成27年から消費者庁が調査研究会を開催しています。日本でも事業者から消費者の方にも『うなぎの未来』について、情報発信が必要と感じています」

同様に、職人をはじめとした人材の問題に関してはどのような思いがあるだろうか。

「当社としては白焼きからの店舗調理を主体としてここ数十年はやってまいりました。3年ほど前からは一部店舗で活鰻を割くようになり、よりうなぎを大事に扱うようになりました。お客様からの反応もあり、職人としての自覚も高まりました。職人を育てるのには時間がかかりますが、奥深い技を身につける喜びも大きいと感じております」

近年、ウナギ業界には資源、人材、相場など多くの問題がある。そうしたなか、鰻専門店としての考え、あるいは今後どのように乗り切るべきなのか、あるいはどのようなことが必要だろうか。

「ウナギ完全養殖の商業化を待ちつつ、うなぎ資源の復活のため微力ながら活動できればと願っています。うなぎと共存共栄できる未来にむけてできることについて、衆知を集めて、社会への浸透を図る。『うなぎを愛する心』があるお客様と事業者の接点の場として店舗が担える役割を果たしたいと思います。そして『日本の食文化(うなぎ)』の気概を持ち、しっかりと工程を踏んだ仕事を、次世代に継承して行く使命を大切にしたいと思います」

[データ]
「鮒忠」
〒111-0032 東京都台東区浅草5-6-4
電話:03-3875-5131

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「蒲焼店が考える“これから”」108 〜2017年8月25日号掲載〜 [蒲焼店が考える“これから”]


川口治彦代表取締役
(古蓮/福岡県柳川市)

『柳川の掘割にウナギ稚魚が復活している』

業界の大イベントである“土用丑の日”(7月25日、8月6日)、2017鰻年度を締めくくるお盆を終えて、うなぎ業界はほっと一息ついている頃だろうかく。今シーズンはエリアによって猛暑もあれば、梅雨戻りのような天候不順、この8月も東京に至っては2週間以上続く雨など異常気象に見舞われている。
ところで、昨今の活鰻仕入れ値は先月末に値下がり、今月に入ってもすでに二度、下方修正されるなど、先安感が強まっている。ただ、一昔前に比べればまだ高い価格水準にあるなか、貴店の販売状況をこれまで振り返ってどうだろうか。

「この柳川地区では、名物であるうなぎめし(せいろむし)の評判が広く知られているのか、観光地・柳川のお手伝いも出来ているように思われます。まだまだ高値ではありますが、昨年に比べると値段も少し下がっており、また利益率は数で補っております」

一方、近年続いた仕入れ高など取り巻く販売環境が厳しいなか、貴店では販促、インバウンド対策など、どのような働きかけを行ってきているだろうか?
「柳川地区もここ数年、インターネット等のおかげもあってか、外国人のお客様が数倍に増加しております。言葉には、アンケート(外国人観光客)の結果、“やさしい日本語で対応してください”との事ですので安心しております」

ちなみに商売を行っていく当然のように大切な活鰻原料。貴店のウナギに対するこだわり、あるいは良いウナギとはどのようなものなのだろうか。
「以前は、中国産など品種で非常に嫌われており、組合(柳川うなぎ料理組合)では、100%国産(宮崎、鹿児島県産)を使用しております。最近ではフィリピン方面からのうなぎが紹介されておりますので、業者の方々には少しでも安く品質の良いうなぎを揃えていただければと思っております。なお、扱いサイズは3.5尾〜4尾です」

ところで近年は、環境省、またIUCN(国際自然保護連合)、そして台湾の林務局でもニホンウナギを絶滅危惧種に指定されるなど引き続き、気になる資源問題があるが、貴店ではどのような考えを持っているだろうか。
「完全養殖の商業化、天然ウナギの復活、そして使用などはまだまだ数十年先だと思われます。柳川では、高校の生物部と九州大学のゼミが行ったモニタリングで掘割にウナギの稚魚が復活しております。全国の行政がもっと厳しく乱獲を抑え、保護に取り組んでほしいと思います」

同様に、大きな問題として再三、取り上げられるウナギ職人をはじめとした人材の問題に関してはどのような思いがあるだろうか。
「ウナギの不漁が続いているここ数年、当然のごとく、価格も安定していません。2代目、3代目が安心して、継げる商売でありたいものです」

近年、ウナギ業界には資源、人材、相場問題など多くの問題がある。そうしたなか、鰻専門店としての考え、あるいは今後どのように乗り切るべきなのか、あるいはどのようなことが必要だろうか。
「今では、和洋折衷で食が乱れております。日本の代表的なウナギは、昔からの食文化として多くの人に親しまれてきました。これからも、各店が自信を持って美味しいウナギを提供していってもらいたいと思います」

[データ]
「古蓮」
〒832-0822 福岡県柳川市三橋町下百町31-6
電話:0944-72-0026

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「蒲焼店が考える“これから”」107 〜2017年8月10日号掲載〜 [蒲焼店が考える“これから”]


両角 和仁店長
(やなのうなぎ観光荘 松本店/長野県岡谷市)

「時代に合わせたニーズをお客様から拾い続け、満足を生む」

8月に突入し、業界の大イベントである“土用丑の日”(7月25日、8月6日)を終え、2017鰻年度を締めくくるお盆を迎えていく。今シーズンはエリアによって、猛暑、梅雨戻り、未だ梅雨明けしない地区もあるなど、なかなか全国的な夏日とはなっていない。
ところで、昨今の活鰻仕入れ値は先月末に値下がり、先安感がようやく出始めているものの、近年は高い水準にあった。貴店の販売状況をこれまで振り返ってどうだろうか。

「おかげさまで徐々にではありますが前年の売上を上回る結果を残せています。長野県松本市に観光荘では初めての支店を出店し、すでに8年目になりますが、リピートして下さるお客様も増えていて、地域の皆様にも愛していただけるような店舗になってきたと微力ながら感じています」

一方、近年続い仕入れ高など、取り巻く販売環境が厳しいなか、貴店では販促などどのような対策を行っているだろうか?

「直近では法事、宴会、慶事などのお集まり需要を増やすために、パンフレットの作成、地方フリーペーパーへの定期掲載などに力を入れています」

ちなみに商売を行っていく上で切っても切り離せない、大切な活鰻原料。貴店のウナギに対するこだわり、あるいは良いウナギとはどのようなものなのだろうか。

「1年を通して国産、台湾、中国の中からその時期に合った品質の良いものを使用しております(ジャポニカ種)。お店にとって良いうなぎというのは、いつも来て下さるお客様に“美味しかった!また来るよ!”と言い続けていただけるものだと思っています」

ところで近年は、環境省、またIUCN(国際自然保護連合)、そして先月は台湾の林務局がニホンウナギを絶滅危惧種に指定するなど、どこでも取りあげられるウナギ資源問題。また、気になるもう一つの問題として都度、取り上げられるのがウナギ職人をはじめとした人材の問題だが、貴店ではどのような考えを持っているだろうか。

「観光荘では誰にでも出来るような仕組みづくりに取り組んでいます。仕事内容の見える化、教育システムの強化、新人さんでも簡単に取り組める様な、ハードルの低さの設定が大事だと思います。そして、プロセスではなく結果を重視する事がお客様への満足にも繋がると思います」

近年、ウナギ業界には資源問題、人の問題、仕入れ高など多くの難題が立ちはだかっている。そうしたなか、鰻専門店としての考え、あるいは今後をどのように乗り切っていくべきなのか、あるいはどのようなことが必要だろうか。

「うなぎというのは食べた人を元気にするスタミナ源です。しかしながら、それだけではお客様の心を満足させる事は出来ません。現状維持ではなく、時代に合わせたニーズをお客様から拾い続ける事が本当の満足を生み続けるのだと思います」

[データ]
「やなのうなぎ観光荘 松本店」
〒390-0841 長野県松本市渚2-2-5
電話:0263-31-6963

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「蒲焼店が考える“これから”」106 〜2017年7月25日号掲載〜 [蒲焼店が考える“これから”]


森田大延代表取締役
(うなぎ しら河/名古屋市西区)

『個店ベースではなく、業界として募金活動』

7月に突入し、思いのほか雨も少なく、19日には全国的な梅雨明けとなった。これまでもうだるような暑さが続いており、この度の梅雨明けにより、より勢いがついた格好だ。ところで昨今の活鰻仕入れ値は一時期より高い水準にあるなかで、貴店の販売状況をこれまで振り返ってどうだろうか。

「4月に新店舗を開店いたしましたので、新店舗に一番近いお店は前年割れの傾向にあります。その他のお店は月によって若干変動はありますが、概ね前年並みで推移しております。一昔前に比べれば当然利益は出にくい環境になっております」

一方、近年は取り巻く販売環境が厳しいなか、貴店では販促など、どのような対策をしているだろうか?

「仕入高ではありますが、新しいお客様にいらっしゃっていただきたく、お値打ち価格でうなぎをお召し上がることが出来ます『うなぎ祭り』というイベントを年に1回程度開催し、好評をいただいております。またポイントカードを発行し、お誕生日はがきや、各種ご案内を定期的にお送りしております。なお、インバウンドにつきましては海外の方向けのサイト(2つ)に店舗情報を掲載してもらっています」

ちなみに商売をしていく上で大切な活鰻原料。貴店のウナギに対するこだわり、あるいは考えはあるのだろうか。

「当店ではニホンウナギ(アンギラジャポニカ種)の四尾サイズを使用しております。ちなみに産地は、国産と中国産です。調理方法は、地焼きなので時期に応じて皮の柔らかい鰻を使うようにしております」

ところで近年、どこでも取りあげられるウナギ資源問題。これら問題に対する思い、考えはどうだろうか?

「当店では鰻1本使用ごとに2円の募金をしております。ちなみに天然うなぎは取り扱っておりません。未来のため、次の世代のために個店ベースではなく、業界として継続的に完全養殖の商業化に向けた研究機関への募金活動を行っていくことが必要だと考えます」

また、根深い問題を抱えるウナギ職人不足問題に対してはどのような考えがあるだろうか。

「当店も現状において、若干人員が不足しております。毎年、新卒採用を行っており、ここ数年は厳しい状況が続いておりますが何とか毎年数名入社してくれております。必要に応じて中途採用もしております。少子高齢化が進む中、入社してくれた方に気持ちよく働いてもらえるよう、これからはやはり働きやすい環境を整えていくことが大切だと思います。当店では今年より福利厚生制度と社外研修制度を導入しております」

多くの難題が立ちはだかるなか、鰻専門店としては今後をどうに乗り切るべきか、あるいはどのようなことが必要か。

「一昔前に比べて、鰻の仕入れ価格は倍になっています。これ以上の値上げは更なる需要の減少を引き起こしてしまうので適正な価格で鰻が仕入れられることを望みますし、当店も引き続いて、企業努力を行っていきます。また当店好みの鰻を納めていただけるように、引き続いて仕入れ先業者さんと情報を共有していきます。そして先にも述べましたが、少子高齢化の昨今、当店に入社してくれた人たちに長く勤めてもらえるような環境を引き続き整えていきます。環境は大きく変化していますが、変えてはいけないもの、変えなければいけないものを見極め、環境に対応していきます」

[データ]
「うなぎ しら河」
〒451-0031 名古屋市西区城西4-30-3
電話:052-522-8331

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「蒲焼店が考える“これから”」105 〜2017年7月5日号掲載〜 [蒲焼店が考える“これから”]


佐藤大和店長
(うなぎ串焼き くりから<東長崎店>/東京都豊島区)

「意欲のある、型にとらわれない老舗の勇気は必須」

いよいよ、業界の書き入れ時である7月に突入した。業界の年に一度のお祭りとも言える夏の土用丑の日まで三週間弱。今夏は、気象庁より“猛暑予想”が出されているだけに丑商戦への期待感は強い。ところで昨今の活鰻仕入れ値は一頃のピークは過ぎたものの、それでも一昔前に比べれば高い水準にある。そうしたなかで、貴店の販売状況はどうだろうか。

「昔のことはよくわからないので、現在の状況をお伝えします。仕入値は非常に厳しい食材なのは間違いありませんが、武器でもあり弱点でもあるといったところでしょうか」

一方、近年は取り巻く販売環境が厳しいなか、販促など貴店ではどのような対策をしているだろうか?

「強いて挙げるのであれば、“国産うなぎを使っている”という自作のポップを掲げています」

ちなみに商売をしていく上で重要な活鰻原料。貴店で扱うウナギに対するこだわり、あるいは考えなどはあるのだろうか。

「当店では愛知県三河一色を使用しています。理由はわかりません。お店にとって良いうなぎと言うのは、それぞれの“お店の味”を出せるうなぎのことだと思います」

ところで近年、大きくクローズアップされるウナギ資源問題。各方面では、資源保護・管理の働きかけが進んでいるが、一方では足並みが揃っていない感じも受けて取れる。昨今のウナギ資源問題に対する思い、考えはどうだろうか?

「取り組みに関しては正直、何をしたらいいのかわからないということを一番強く感じています」

また、ウナギ資源問題と同様に、根深い問題を抱えるウナギ職人不足問題。これに対してはどのような考えがあるだろうか。

「単純な話だと思います。新しい店が少な過ぎるのです。昔ながらの店には長く時間をかけてできる、ノウハウやルールがたくさんあります。それらを長い年月をかけ、身に付けてからでないとうなぎの焼きを教えてもらえないでしょう」

ウナギ資源問題をはじめ、相場問題、ウナギ職人不足の問題など、ウナギ専門店業界には多くの難題が立ちはだかっている。そうしたなか、鰻専門店としては今後をどのように乗り切っていくべきか、あるいはどのようなことが必要だろうか。

「うなぎ業界はその特殊さ故に、飲食の世界では完全にガラパゴス状態に陥っていると思います。牛肉を調べると番号を打ち込めば生産者の顔まで確認出来ます。ラーメン店では様々な経歴をもった人達がチャレンジして日々進化し続けています。10年以上も前からです。うなぎは蒲焼きのポスターばかり。食べ方も100年以上もほとんど変わっていない。消費者はうなぎの顔をずっと真正面からみているだけなのです。本当にわかってほしいのならば、もっとやるべきことはあるはずです。意欲のある、型にとらわれない老舗の勇気は必須だと思います」

[データ]
「うなぎ串焼き くりから<東長崎店>」
〒171-0051 東京都豊島区長崎4-9-5 ロイヤルマンション101
電話:03-3530-5020

佐藤大和店長ブログ用.jpg

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「蒲焼店が考える“これから”」104 〜2017年6月25日号掲載〜 [蒲焼店が考える“これから”]


津田兼太郎取締役
(東京 竹葉亭/大阪市北区)

『河川でウナギが住みやすくなる、石倉設置が進むことを希望』

今年も早いもので半年が過ぎようとしている。また、業界の年に一度のお祭りとも言える夏の土用丑の日まで残り、1ヶ月となった。愛知三河一色では5月半ばに新仔の初揚げが始まっており、同じ単年養殖組の宮崎エリアもようやく新仔が初揚げされ、遅ればせながら丑に向けてのムードは高まってきている。一方では梅雨ながら、時折、夏日となる地域も散見されるなど、陽気的にも丑商戦に向けて期待したいところだ。
ところで昨今は活鰻仕入れ値が一昔前に比べ高値安定で推移してきたが、一頃のピークを過ぎ、現時点の相場も昨年同時期よりも700円/㎏ほど値頃となっている。そうしたなかで、貴店の販売状況はどうだろうか。

「今のところ、リピーターのお客様や外国人観光客を取り込めるように努力をしている為、売上は確保しています。昨年同期と同じくらいの売上を確保することで利益率も何とか保てています」

一方、近年のシラス不漁を背景に一般消費者間では“ウナギ=高い”というイメージが刷り込まれ、取り巻く環境は厳しいなかで、販売促進など貴店ではどのような対策をしているだろうか?

「味やサービスが日々向上するように従業員への教育などに取り組んでおります。また、訪日外国人旅行者を取り込む為に英語のメニューやホームページ作成などの対策は実施しています」

ちなみに商売をしていく上で重要な活鰻原料。貴店で扱うウナギに対するこだわり、あるいは考えなどはあるのだろうか。

「弊店では愛知県や宮崎県などの国産鰻を扱っています。身の厚い、ふっくらした鰻が良い鰻だと思います。逆に長身で身の薄い鰻は好ましくないです」

ところで昨年9月に行われたワシントン条約締約国会議では、ニホンウナギの附属書掲載を免れたものの、EU(ヨーロッパ連合)ではウナギの資源・流通の実態調査を提案、可決されている。このため、引き続いて予断を許さない状況にあるなかで、昨今のウナギ資源問題に対する考えはどうだろうか?

「ウナギ資源保護の観点から、天然ウナギは弊店でも使用しておりません。完全養殖の商業化実現はもちろんのこと、河川でウナギが住みやすくなる様、石倉設置なども進むことを希望しています」

また、ウナギ資源問題と同様に、解決策が依然として見えない、深刻な状態にあるウナギ職人不足問題に対してはどのような考えがあるだろうか。

「ウナギ職人が不足している要因は若者の人口減少が主な原因だと思います。育成、確保については地道に採用活動をしていく他、無いと思います」

近年は、ウナギ資源問題をはじめ、相場の高値安定、またウナギ職人不足の問題など、ウナギ専門店業界を取り巻くものは難題ばかりが目立っている。そうした中で、鰻専門店としては今後、環境が大きく変化した業界をどう乗り越えていくべきだろうか。

「専門店を取り巻く環境は大きく変化しておりますが、『味とサービスの向上』という原点を忘れず、地道に取り組んでいくことが必要だと思います」

[データ]
「東京 竹葉亭」
〒530-0005 大阪市北区中之島4-3-20-612
電話:06-6443-3111

津田兼太郎ブログ用.JPG

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「蒲焼店が考える“これから”」103 〜2017年6月15日号掲載〜 [蒲焼店が考える“これから”]


市原祥 営業マネージャー
(満る岡(まるおか)/埼玉県行田市)

『これからは専門店自体が職人育成を担う時代』

今年も早いもので6月半ばに差し掛かり、業界のお祭りとも言える夏の土用丑の日まで残すところ1ヶ月余りとなった。すでに愛知三河一色では新仔の池揚げが始まっており、7月に入れば、宮崎エリア等も含め、各地で新仔池揚げは本格化する見通しだ。一方では夏日となる地域も散見されるなど、丑商戦に向けての期待感も日増しに高まっている。ところで昨今は活鰻仕入れ値が一昔前に比べ高値安定で推移している。ただ、ピークは過ぎており、現時点の相場は昨年同時期よりも幾分、値頃となっている。そうしたなかで、貴店の販売状況はどうだろうか。

「売上に関しては、昨年に比べて微増の状況です。また利益率は3〜4年前より、改善しています」

一方で、厳しい販売状況下のなかで販売促進など、貴店ではどのような対策をしているだろうか?

「商工会議所の担当の方と協力して、今後の販促を検討しているところです」

ちなみに商売をしていく上で要となる活鰻原料。貴店で扱うウナギに対するこだわり、あるいは考えなどはあるのだろうか。

「現在は、国産ものを中心にサイズは4.4尾〜5尾を扱っています。産地よりも、ウナギ自体の品質を優先して、常に納めていただいています。なお、活鰻の時と、焼いた後ではあまり縮まないものが良いウナギではないでしょうか」

ところで昨年9月に行われたワシントン条約では、ニホンウナギの附属書掲載を免れたものの、EUではウナギの資源・流通の実態調査を提案、可決されており、引き続いて予断を許さない状況にある。そんな、昨今のウナギ資源問題についての思い、考えはどうだろうか?

「限りある資源である、ウナギ稚魚の乱獲の件も是正などをさらに進めていく必要があると考えております」

一方、ウナギ資源問題と同様に、解決策の見えない、深刻な状態にあるウナギ職人不足についてはどうだろうか。

「これからの時代は、専門店自体が職人の育成を担っていく必要があると考えています」

近年は、前述のように、ウナギ資源問題を始め、相場の高値安定、またウナギ職人不足の問題など、ウナギ専門店業界を取り巻く環境は一昔前に比べて大きく変化している。そうした中で、鰻専門店として今後、どう進んでいくべきだろうか。

「伝統の継承はもちろん必要ですが、一方では時代のニーズにマッチした商品、サービスの提供が必要であると考えています」

[データ]
「満る岡(まるおか)」
〒361-0057 埼玉県行田市城西4-6-21
電話:048-554-2263

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「蒲焼店が考える“これから”」102 〜2017年6月5日号掲載〜 [蒲焼店が考える“これから”]


磯 明生代表取締役
(竹江/埼玉県川口市)

ウナギは健康と美容によい食べ物」

今年も早いもので6月に突入した。すでに新仔の池揚げも始まり、一方では夏日となる地域も散見されるなど、夏土用に向けての期待感は日増しに高まっている。ところで昨今は活鰻仕入れ値が一昔前に比べて、高値安定で推移、利益率も相当圧迫されていると思われるなか、貴店の販売状況はどうだろうか。

「昨年同期と比べてだいたい、同じぐらいで、利益率に関しては若干、増加という感じです」

一方で厳しい販売状況下、販売促進、あるいはインバウンドにおいてどのような対策をしているだろうか?

「現状、とくに対策はしていませんが、今後に向けて考えていきたいと思います」

ちなみに商売をしていく上で要となる活鰻原料。貴店で扱うウナギに対するこだわり、あるいは考えなどはあるのだろうか。

「ウナギは、捌いた時に良いウナギか、悪いウナギかは大体、わかります。ほどよく、身が締まっていて、ふっくらしているウナギが良いと思います。ちなみに産地については、鹿児島産、宮崎産がほとんど国産のみの扱いです」

ところで昨今のウナギ資源問題についての考えは?

「これまでの資源の減少に関しては、やはり乱獲が一番の要因ではないかとみています。」

一方、ウナギ職人不足についてはどうだろうか。

「このウナギ職員不足の件は、以前から問題になっていました。若い方がなかなかウナギ専門店の職に就かない事がひとつの原因でしょう」

近年、取り巻く環境が大きく変化する中、鰻専門店として今後、どう進むべきか、という命題もある中、ウナギのどのような部分に注目していますか?

「以前よりも、若い方が食事に来られる方が増えて来たと思います。やはり、ウナギは健康と美容に良い事がマスコミによって、広く知られるようになったからではないでしょうか。もっと注目していきたいですね」

[データ]
「竹江」
〒334-0001 埼玉県川口市桜町1-5-3
電話:048-283-8812

磯社長ブログ.JPG

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