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シラスウナギ価格暴騰で緊急会合 [本紙記事/速報]

〜活鰻相場2,500〜3,000円/kgに見合った池入れ呼びかけ〜 日本養鰻漁業協同組合連合会、全国養鰻漁業協同組合連合会 27日/於:名古屋マリオットアソシアホテル

日本養鰻漁業協同組合連合会、全国養鰻漁業協同組合連合会は27日、名古屋市の名古屋マリオットアソシアホテルで緊急の生産者会議を開催した。二年連続のシラスウナギの大不漁により活鰻相場が暴騰を続ける中で、それを反映したかのようなハシリのシラスウナギ価格の大暴騰を受けて「このままでは業界がつぶれてしまう」と強い危機感を強調。「現状からみた適正な活鰻相場は2500〜3000円/kg」とした上で、「それ以上の価格で販売することを期待した価格でのシラスウナギの池入れは控えるべき」と強い懸念を示した。

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今回の会合は、ウナギ業界がシラスウナギの二年連続の大不漁によるシラスウナギ・活鰻相場の暴騰に見舞われる中、ハシリのシラスウナギ漁が不漁スタートとなったことから池入れ価格が史上最高の200万円/㎏を超える価格となったことを受けて緊急に召集された。シラスウナギ相場の大暴騰で、史上最高値で推移していた国産・輸入物の活鰻相場も連動する形で更に値上がる事態となっている。加工場、鰻蒲焼専門店にとって致命的とも呼べる価格水準となる中で、シラスウナギの相場抑制策が急遽必要となっていた。


年の瀬も押し迫った最中での緊急の開催となったことに対して、会後のインタビューに応じた大岡宗弘会長、村上寅美会長は経緯について説明した。大岡会長は「ハシリのシラスウナギ漁が振るわず、その価格が異常な水準にある中で、緊急に対策を検討する必要があった」と述べる中で、村上会長も「こうした価格で池入れすることで、活鰻相場にも影響を与えることになる。今以上に活鰻相場が高騰すると日本から鰻蒲焼専門店が無くなってしまう。両団体で早急に対策を検討し、対応を一本化していく必要があった」と語った。

「非常に強い危機感を持っている」とした上で、「日本養鰻漁業協同組合連合会・全国養鰻漁業協同組合連合会の意思を一本化した後に年明けには関係官庁及び業界団体に訴えかけを行っていく」と述べた。会合での合意事項について、大岡会長が「鰻蒲焼専門店が受け入れられる生産原価は2500〜3000円/kg。それを考えるとシラスウナギの池入れ価格は80〜100万円/kgが限界」と述べると、村上会長は「専門店が仕入れられる価格を良く考えて池入れすべき、専門店に無理な価格での仕入れを押し付けるべきではない」と語る。

b.JPG[向かって右から2番目が全鰻連の村上寅美会長、左から2番目が日鰻連の大岡宗弘会長]




特に「一部専門店では現在の販売数量が半減している。このままでは専門店が経営面で深刻な状態に陥ってしまう」と訴え、「この異常な高値のシラスウナギを買っているのは私共生産者である。『常識的なレベル』での池入れを呼びかけていきたい」と語った。

今回の合意事項について村上会長は「年内に私共の傘下の各単協、更には全荷連を始めとする日本鰻協会加盟団体にも呼びかけていく。年明け後には関係官庁にも要望として上げていくつもり」と説明した。「1月10日前後に会合を行い、要望書を提出する予定。その会合では活鰻問屋、鰻蒲焼専門店の出席も考えていきたい」とした上で、具体的な要望内容について、「あくまで生産者としてのもので、シラスウナギに特化した要望となるが、前出の指標価格以外にも盛り込んでいくつもり。前出の指標価格も含め、その方向性に沿った上で、更に調整を進めていきたい」と語った。

ただ、シラスウナギの池入れ価格や活鰻相場に対する取り組みで、前出の団体に所属していない活鰻問屋、生産者も多く見られる。海外の生産者に対する呼びかけも求められる。また、現在シラスウナギの池入れ数量が少ない単年メッカの愛知県三河一色地区の生産者に対する呼びかけも他地区以上に強めていかなければならない。

様々な課題を抱えた中での関係先に対する要望となるが、「このままでは末端が減ってしまい、需要そのものが大きく後退していく。生産者も無理な池入れをした上に需要が減ってしまうことで、更に経営体数が減ってしまうことになりかねない。この深刻なまでの危機感を生産者にもしっかりと伝え、『100万円/kgを超えるシラスウナギを池入れしてほしくない』ということを良く理解してもらいたい」と語った。

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