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「蒲焼店が考える“これから”」23 〜2014年10月5日号掲載〜 [蒲焼店が考える“これから”]


四代目 秋本斉氏
(うなぎ麹町 秋本/東京都千代田区)

『“時間を持ちたい”若い子が多い』

振り返れば今シーズンは例年以上にメディアによるウナギの露出度は高かった。実際に売れ行きにはどのような変化が出ているのだろうか。

「昨年2月の環境省によるニホンウナギの絶滅危惧種登録の時から、”ウナギはなくなるのか?“という懸念の声はすでに目立っていました。また今年6月のIUCN (国際自然保護連合)の件では”ワシントン条約“の単語が出てきてから”本当に食べられなくなる“と心配するお客さんも多くなりました。そんなメディアの相次ぐニュースでしばらくウナギを食べていなかった方、また普段、スーパーのウナギ加工品を食べていた若い子も”せっかくの機会だから“と来店されたケースも多かったようです。逆に”20%削減“のニュースはそれほどインパクトが無かった感じでした」

昨今のウナギ資源保護に関してはどうだろうか?

「前述した“20%削減”に関して、いい悪いは別にしても“みなでこうしましょう”と資源保護についてひとつの流れを作った事は良いことだと思います。ちなみに個人的には利害関係があると思いますが、しばらくは“天然ウナギ”を採りすぎないことがひとつの資源対策ではないかと思います。もちろん、シラスウナギについても“20%削減”の件で間接的に抑制されていくことも大事ですし、資源保護のためにはお互い、痛み分けをしなくてはいけないですね」

一方、資源問題と同様、先行き懸念が高まるウナギ職人さん問題についてはどうだろうか。

「聞いた話だと、最近は“給料は安くても良いが自由な時間を持ちたい”という若い子が多いらしいです。確かにウナギ屋さんに限らず、飲食業は拘束時間が長いですからね。そうした受け入れ態勢を、今後は我々も改善していかなくてはいけませんね。一方で、地方がとくに求人が少ないようで、調理師斡旋所の人たちにはそうした地方とのパイプも作っていただきたいと思います。そうした両面で将来の“ウナギ職人”発掘、育成のために進めていければと思います。もちろん、お店自体の魅力、“うなぎ”という業種の魅力をアピールしながら、働きやすい環境を作る事も大事ですね」

一方、SNSにおける蒲焼店の交流については?

「普段、お会い出来ない各地の蒲焼店の方々とSNSを通じて交流する事でその人、そのお店のモチベーションも高まるし、またいい加減な仕事も出来ないなと刺激を受けます。シナジー効果もあってよいのではないでしょうか」

これからの鰻屋はどう進んでいくべきか?

「基本は変わらず、うなぎ文化継承のために基本的な事をしっかりしていくこと。ただし、時代の変化に合わせて,SNSなどを活用し、広く“うなぎ”の魅力を伝えていく事も大切ですね。お問い合わせの電話も『HPみているんだけど・・・』とホームページを見ている方がほとんど。今後も、新しいツールがあれば積極的に活用していきたいと思います。またSNSを通じた全国各地の鰻屋さんとの交流も良い刺激になりますし、参考にさせていいただています」

[データ]
「うなぎ麹町 秋本」
〒102-0083 東京都千代田区麹町3-4-4
tel:03-3261-6762

うなぎ秋本ブログ用.JPG

















*「蒲焼店が考える“これから”」は現在、日本養殖新聞で連載中
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