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「蒲焼店が考える“これから”」27 〜2014年11月15日号掲載〜 [蒲焼店が考える“これから”]


代表取締役 松本清氏
八ツ目や にしむら(目黒)/東京都目黒区

『値下げることは広告・宣伝につながる』

今年も早いもので残すところ、1ヶ月半となった。振り返ればうなぎの話題は多かった。

「様々なニュースの報道で、いわゆる“うなぎがもう、食べられなくなる”といった不安要素による需要もあって、今年の売れ行きは目に見えて良かったですね。加えて、自分自身は“1にも2にも、PR”と常に考えているので、メディアの取材も積極的に受けていて、テレビを見た既存のお客様の間で“ここの店、知ってる!”など、PR効果をさらに高めたことも売り上げ増になったもう一つの要因ではないでしょうか」

ここ4年間、シラスウナギ不漁で相場高騰が続き、苦しい状況を強いられたが、最近は9、10月と仕入れ価格は相次いで下がっている。メニュー価格についてはどう、考えているのだろうか。ちなみに同店の店先には“仕入れ値が下がったら、価格を下げて販売したい”といった内容の張り紙が貼られている。

「メニュー価格については、店頭でも以前から告知していますように、仕入れが高いときは価格を上げさせていただいたし、下がった時も同様に下げたいとは思っています。ただ、当初の予想に反して下げ幅が少ないのは誤算でした。理想を言えば、あと1割ほど仕入れ価格が下がれば、(値下げを)考えたいですね。メニュー価格を下げることによって、お客様の信頼を得られると同時に、広告・宣伝にもつながると思っていますから。張り紙している関係でお客様からは“まだ下げないのかい?”と冗談交えて話をされる時もありますが、目くじら立てて言う人はいらっしゃいませんね」

一方、業界を覆うウナギ資源保護問題についてはどうだろうか。

「先般、水産庁が取り決めた“シラスウナギ池入れ直近の20%削減”については、資源保護の観点からも大賛成です。ただし、規制によって逆に、シラスウナギの裏取引が横行するのではという懸念も正直あります」

また、ウナギ職人不足問題については?

「うちで抱えている職人は、40代がひとり、20代が3人で、職人さんの件についてそれほど心配はしていません。営業時間も7時までと早い方で、拘束時間も短い方だと思います」

最後に、取り巻く環境が大きく変化するなか、これからの鰻屋はどう進んでいくべきか?

「あまり、奇抜なことをやらず、うなぎ単品の扱いは無論、基本に忠実にこれまでと同様に進んでいくしかないと思います。できる限り、割きたて、炭火での焼きたてを実践、仕込みのタイミングも早すぎないよう注意し、常にお客様が満足するような美味しいウナギを提供していくだけです。今も昔も変わらず、“どうすれば、お客様に美味しい、良いウナギを提供出来るか”ということを常に考えています。またSNSもうなぎやさん関連のFacebookをいつも拝見していますし、自身でもブログを書いていますよ。ちなみに名古屋の『うな豊』さんがFacebook通じて他のうなぎやさんのPRに尽力されていることに頭の下がる思いです」

[データ]
「八ツ目や にしむら(目黒)」
〒153-0064 東京都目黒区下目黒3-13-10
TEL:03-3713-6548

松本清社長 ブログ用.JPG

















*「蒲焼店が考える“これから”」は現在、日本養殖新聞で連載中
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