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「蒲焼店が考える“これから”」54 〜2015年11月5日号掲載〜 [蒲焼店が考える“これから”]


竹内 一二代表取締役
(鰻や 竹うち/堺市堺区)

『今後はより、調理技術・接客術・お店の        雰囲気向上に努めるべき』

今年も早いもので残り2ヶ月を切った。夏場は全般的に好調な動きを見せたものの、大半のお店ではお盆明け、あるいは9月に入ってから、売れ行きは目に見えて落ちている話が目立った。

一方で、流通面に目を向ければそれらを裏付けるように、荷動きは低迷したままで、荷余り感さえ散見されている。問屋筋も「産地における池揚げ量は多少なりとも減少しているものの、それでも吸い込み率も悪くなっている」と厳しい現状を話す。専門店における、この時期の売れ行き、そして今後に向けてどう見通しているのだろうか。

「売れ行きに関しては、例年と同様の動きに終始しています。またオフシーズンを迎える中で、私どもではうなぎ鍋など冬季に適したメニューをインターネットなどでおすすめして対応してく予定です」

シラスウナギシーズンは今月1日からの台湾を皮切りにスタートした。周知のように、近年は、シラスウナギ不漁を背景に相場は高騰し、メニュー価格の値上げを余儀なくされたお店も少なくない。お客が入りやすいように“メニュー価格”を下げるにも、「シラスが採れなければ相場がまた値上がるだろうし、メニュー価格をそう簡単には下げられない」(蒲焼店)といったお店も目立つ。それだけに是が非でもシラス大豊漁を願いたいところだろう。厳しい販売状況を強いられる専門店にとっての現在の考え方はどうなのか?

「お客様の趣向性やお値段の設定など“聞く耳”を持つ感じで出来るかぎり、納得していただけるよう、説明も含めて合わせていければと考えています。また、私ども“鰻料理専門店”ではありますが、家族やグループなどでうなぎを食べられないお客様に対するメニューも検討していきたいと考えています」

また専門店にとって、好まれる鰻とはどのようなものだろうか。

「基本的には、ニホンウナギ(アンギラ・ジャポニカ種)で、国産で、鮮度の良い元気な活鰻であれば“OK”だと思います。しかしながら、その時によって国産ではなく、台湾産、あるいは中国産でも上質なものであれば、使用可能であると考えています」

一方、業界が注目するワシントン条約の行方。専門店としての意見はどうだろうか。

「私ども蒲焼店としては当然、ニホンウナギがワシントン条約に掲載されないことを望んでいいますが、適正価格で必要分の活鰻が確保出来るよう、取引先の卸問屋にしっかりお願いするしかないのでは、と考えています」

また、近年続いている“職人不足”問題については何らかの対策はあるのだろうか。

「雇用問題に関しては現状、間に合っていますので、人材が必要となったときに検討しようと考えています。ただ、ルートや手法等の確認チェックは間に合っている、間に合っていないに係らず、行っておく必要はあると考えています」

最後に “鰻専門店”として今後に向けてどうあるべきだろうか。

「鰻の食文化の表現や、適正価格で美味しいお料理を提供出来るように、調理技術や接客術、お店の雰囲気などの向上に精進していくべきだろうと考えています」

[データ]
「鰻や 竹うち」
〒590-0951 大阪府堺市堺区市之町西3-2-11
電話:072-232-2652

竹内一二代表取締役 のコピー.JPG

















*「蒲焼店が考える“これから”」は現在、日本養殖新聞で連載中
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