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うなぎ専門店、相次いで値上げ 〜シラス大不漁による仕入れ高騰〜 [本紙記事/速報]


[ぴかぴか(新しい)]<日本養殖新聞4月5日号より>[ぴかぴか(新しい)]
〜値上げ目立つ、上げ幅は平均600円前後、国産供給不安に海外産使用増える〜

新年度に突入した。麗らかな春の到来とともに、陽気も良くなり、過ごしやすい季節となった。業界に目を向ければ、注目の国内シラス漁は終了し、大不漁だった2013年とほぼ同水準の池入れとなりそうだ。
 
すでに年明けから、シラス不漁の見方が色濃かったことで、活鰻相場は暴騰、国産供給は一転、タイトになり、活鰻流通は混乱に陥った。現時点では収束しているものの、売れがつき始める今の時期から今後に向けて、どのような動きを見せていくのか、全く見当がつかない。
 
先行き不安を募らせる、全国各地の鰻専門店では、価格面、仕入れ面など、夏の丑商戦に向けてどのような対応を考え、対策を実施しているのだろうか。振り返れば、混乱した1月は、国産供給タイトの一方で海外産を扱う専門店が目立ったほか、“値上げ”を意識し始めた時期でもある。
 
3月、そしてこの4月から、仕入れ高に対応すべく、相次いで値上げを実施する専門店が目立つ。メニューの値上げ幅も平均500〜600円前後が目立っているものの、地方ではなかなか、大幅な値上げを出来ないところもあり、200円前後の小幅もある。また、高いところでは1000円、1500円の値上げの声あった。また値上げをしつつウナギの依存度を抑え、原価を抑える動き、そのほか価格そのままにボリュームダウンで対応する店舗も散見された。

一方、専門店が扱う活鰻には、お店によって対応は様々だ。全体を占める割合が多い国産にこだわるお店では、出来る限り問屋さんとの話し合いを密にし、池揚げから仕入れの予定を早く組み立てたり、また国産が仕入れられなければ臨時休業、営業時間の短縮、数量を限定するといった動きもある。
 
対して「外国産の使用も致し方ない」(専門店)との意見も聞かれ、“輸入鰻の安全性”を各テーブルでアピール、スタッフ教育で、他にもメニューブックに詳細を記載し、お客さんに伝える働きかけ、また国産にこだわらず、柔軟な姿勢で台湾、中国産メインに対応するお店もある。または新たに中国産を扱い始めたお店、また国産不足によって使用した台湾産の良さを知るきっかけとなった話もあった。

なお、今夏にむけて懸念される活鰻供給面。明確なのは、前半戦のシラス大不漁から、国産新仔の池揚げが絶望的だということ。そのなかで中国産、あるいは台湾産の扱いを視野に入れながら、“本数制限”また“営業短縮“を掲げるお店、また前哨戦となるゴールデンウイーク頃の供給タイトを予想、2月から”白焼き冷凍“でストックする店の話も聞かれた。

そのほか、夏商戦の供給不安に、大きいサイズのウナギを使用し、その半身と季節料理のセットで供給する工夫、あるいは「“夏の土用丑の日”に頼らない体制を!夏土用に集中しなければ、常軌を逸した相場暴騰も抑えられる」といった専門店の意見もあった。
 
夏の土用丑の日まで3ヶ月余り。ウナギ消費も徐々に上向き始める中、活鰻供給、相場にも変化も予想されるだけに“備えあれば憂いなし”の姿勢で、夏商戦に臨みたいところだ。


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