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美味!!「鯉」メニューのお店31〈2017年4月25日号掲載〉 [鯉シリーズ]


さいたま市浦和区「うなぎ 満寿家(ますや)」

「あらい」の魅力は独特の食感と酢みそ

今号の「鯉シリーズ」はさいたま市浦和区にある「うなぎ 満寿家」を訪問。五代目の矢部貢美子代表取締役に伺った料理のこだわりや、お店として行なっている面白い取り組みなどについて紹介したい。

「満寿家」は明治21(1888)年創業、およそ130年続いている老舗蒲焼店。JR浦和駅から徒歩6分ほど歩いて中山道に出ると、ほどなく木造の落ち着いた風格の建物が出迎えてくれる。3年前に店舗をリニューアルし、テーブル席のほかに8種類の個室も併設。2人から最大65人まで、会食・商談・祝い事・法事と人数や目的に応じて利用できる。

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「満寿家」の外観と店内の様子

鯉の産地は茨城県で、鯉メニューは「鯉あらい」と「鯉こく」の2品を提供。
「『あらい』の魅力はやはり独特の食感と酢みそなので、昔から酢みその味は変えていません。『鯉こく』は身の味をしっかり出すため、あまり煮込みすぎないようにしています」。

矢部社長は料理のこだわりをそう説明する。酢みそなのでスッと食べられてお腹にもたまらず、さっぱりした『あらい』とややこってりした『鯉こく』のバランスが逆によいという。矢部社長は「特に『鯉こく』は滋養強壮にも効果的で、『お嫁さんに食べさせたい』とお持ち帰りになるお客様もいらっしゃいます」と、利用客から好評であることを強調。また、昼食コースと懐石コースのほとんどの料理にも「鯉のあらい」がつくほか、「うな重」と「鯉こく」が味わえる「満寿家セット」も提供。

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「鯉のあらい」と「鯉こく」

「鯉はお客様によって好みが分かれますが、好きなお客様はやはり『あらい』を注文されます。『満寿家セット』も初めてご来店されたお客様はわりと注文されますので、『鯉こく』にも特に抵抗感はないようです。KHVが発生した際には確かに落ち込みましたが、それ以降は決して減ってはいません」。
鯉の需要自体は大きくは変わっていないという。

一方、うなぎメニューは「うな重」並・上・特上「ひつまぶし」が中心で、特に「上」と「ひつまぶし」が売れ筋商品。主に九州産を使用し、メニューによって3P・5P・6Pを使い分けている。

「すべて紀州備長炭と秘伝のタレで焼き上げ、やや甘口に仕上げているのが特長です」。
客層は比較的年配が多いが、昔から浦和では川魚文化が根強いため、周囲にはうなぎ屋が点在。矢部社長も「土地柄、あまりうなぎ離れは感じていません。店舗をリニューアルしてからは客足が増えています」と、うなぎの消費は増えていることを感じている。

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「うな重」(特上)

「浦和のうなぎ」で街を盛り上げていることに関連し、定期的に地元の小学校の三年生を対象に、矢部社長が浦和のうなぎの歴史や、関東と関西での味やさばき方の違いなどについて講義する教室を開いている。矢部社長も「やはりそれほど地元にうなぎが浸透しているのだと思います。学校の授業でもうなぎを取り上げてくれているのはありがたいですね。児童は皆、真剣に聞いて多くの質問をしますし、私も児童にどう説明しようかと考えます」と、刺激を受けている。同じように15年ほど前からは小学二年生の児童を対象に、うなぎを調理する様子を見学したり、活鰻に触れてもらったりする教室も実施。「それがうなぎを好きになるきっかけになれば」と矢部社長も期待を寄せている。

最近は家族連れで来店する客が多く、三世代でうなぎを注文する客も増加傾向。お宮参りで、七五三で、さらに結納で来店と続けて利用する客もいる。

「子供の頃に食べた味は忘れることはありません。そのようにして次の世代へうなぎの味が引き継がれていくのは本当に嬉しいです」。

うなぎのおいしさや魅力を知った子供たちが将来所帯を持ち、「『満寿家』は昔見学に来たからよく覚えている」という気持ちで久しぶりに来店、うなぎの味に再び舌鼓を打つ。子供たちの間にさらにうなぎが浸透し、消費の拡大につながってほしい。

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矢部 貢美子社長

「うなぎ 満寿家」
〒330-0064 さいたま市浦和区岸町7-1-3
電話:048-822-1101


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