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みりん工場みてきました〜 [番外編・編集後記]

このまえ三河に行ってきました。
もちろんウナギの取材もしましたが、今回のもう一つの目玉 (○須専務ゴメンなさい〜)は初体験の「みりん」工場見学でした。
みりんは鰻蒲焼の料理で最も重要なアイテムのひとつですけど、業界ではあまり知られていないですよね。
「同割り」っていう醤油とみりんを同量割って作ったタレは江戸前のウナギ蒲焼のタレやそばのつゆ等でもスタンダードですが、今では砂糖等で代用されてしまいすし、本みりんを使うことは専門店以外なくなってしまいました。
なので、本みりんを使ったタレは業界でも依然最高峰の水準に位置します。その割りにはどういうものなのか、みたことも無かったし、一度そのみりんを見にいってみたかったんですよね〜。
三河は業界でいうと一色や碧海等養鰻業で知られる場所なんですけど、みりんに関しても「三河みりん」という言葉があるように、国内最大、かつ最古の歴史を持った場所なんですよ。
面白かったな〜。
取材したのは国内最古のメーカー・九重味醂㈱。古い文献やら歴史を感じさせるものが多く、みりんの奥深さを改めて感じました。
みりんって、味醂は基本的に江戸時代からのものですが、昔は「美淋酎」といってたそうです。今の「醂」は「淋」だったんですね。
あと、元々お酒なんですよね。工場でみせてもらった文献にも「下戸、または女性が飲むもの」とありまして、今のような調味料じゃなかったようです。
蔵にも連れて行ってもらいましたが、私の大好きな焼酎の香りがぷんぷんでした。案内してくれた川崎さんが樽を一つ明けて、中の麹をみせてくれたんですけれど、もう焼酎ですよ。これは。これを2ヶ月じっくり熟成させて搾った後、更に一年寝かせた後に本みりんが出来上がるということでした。
その「本みりん」にはいくつもの商品があるそうです。業界、特に加工メーカーは「本みりん」を使っているだけで羨望(というか、「あり得ない」っていう意味での…)のまなざしを向けられるんですが、その中に更に原料や製法で最高級品があるということ、とにかく驚きました。
あと、これ業界で知ってる人いるのかな?「蒲焼大将」って味醂があるんですよ。長めに寝かせた味醂なんですが、香りも強く、「通常は素材の味を邪魔する」ので、調味料として適さないそうなんですが、ウナギには「かえってコクが出る」層でぴったりだそうです。
あんまりPRしてこなかったそうで、あんまり売れてなかったそうです。これからこういうものがもっと売れるようになると良いですよね〜。
とにかく歴史の重みを感じた味醂の取材でした。


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コメント 3

うなぎいぬ

ミリンのこととっても勉強になりました。
うなぎ加工メーカーなので良い参考になります。
by うなぎいぬ (2005-12-22 19:06) 

y.s

いまの加工品でちゃんとした「本味醂」を使っているメーカーは本当に少ない。
輸入品であるとなおさらです。
但し、まっとうな商品を作ってもなかなか評価されない現状では、安い「味醂もどき」を使ってしまうんでしょうね。
皆さんご存知だと思いますが、「醗酵調味料」はみりんではありません。
by y.s (2005-12-26 12:33) 

うなぎ

そうなんですよね。みりんがこれだけ重要であるにも関わらず、メーカーが使うことが出来ないのは残念ですね。
ただ、今では炭火焼等の差別化商品が出ていますし、スーパーさんの姿勢次第ではいろんな取り組みが可能なような気もします。
「本みりん使用」を謳った蒲焼なんてどうでしょうか?
by うなぎ (2005-12-27 13:59) 

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