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全鰻協の回答書に再び強い憤り~台湾区鰻魚発展基金会~ [本紙記事/速報]

『続いて誠意ある対応求める
6月末リミットに行政に「禁輸措置」直訴!!』
 
 昨冬以来、日台生産界の関係が悪化、修復に向けた取り組みも遅々として進まない中で、台湾区鰻魚発展基金会は10日、全日本養鰻協議会より出された回答書「二〇〇七年3月26日付け文書に対しての回答について」の内容で、台湾側の要望である「シラスウナギの輸出禁止期間短縮」に関して要望が全く受け入れられていないことから「到底納得いかない」と強い憤りをみせると共に、これまで非公式ながら通告してきた「シラスウナギの輸出禁止措置」を行政に直訴することで、6月末には実行の運びになるだろうことを明らかにした。夏場の供給を支える単年養殖業者の経営を致命的にするだけでなく、無用な鰻価の暴騰を引き起こしかねない今回の台湾側の動きに対し、日本も落とし所を見つけようとしており、リミットギリギリまで攻防が続くことになる。
 
 昨年の11月以降、関係悪化が続く日台生産界だが、台湾側が「シラスウナギ輸出禁止期間の短縮」を要望 、受け入れられなければ台湾が鰻稚魚の輸出を禁止することを非公式ながら日本に通告してきている中で、日本側がいかなる返答をするかに注目が集まっていた。
 本紙既報のように先月23日に全日本養鰻協議会の席上で日本養鰻漁業協同組合連合会、全国養鰻漁業協同組合連合会役員が意見調整を行った。その中で、「漁業法及び水産資源保護法」と「輸出貿易管理令」から、台湾側の要望に応えることは難しいと改めて見解を一致させると共に台湾側に日本の立場を回答書として伝えた。
 日本の立場に対する理解を求める一方で、台湾との生産者会議が中断したままとなっていることにも言及した。「両国の諸問題について民間での話し合いにより解決することを目的に開催されてきた民間協議がここで途絶えてしまうことは、両国養鰻業界にとって望ましいことではない」と述べると共に、昨年台湾側が製作した養殖マニュアル「養殖管理手冊」について「日本政府や同冊子作成に携わった水産団体等を説得し、微力ながら貴国の鰻の食品としての安全性の確保の為に尽力してきた」ことを強調した。
 
 ただ、この回答書に対する台湾側の反発は想像以上だ。台湾区鰻魚発展基金会も「到底納得できない」「あまりにも不誠実」という声が強く、早々に「シラスウナギの輸出禁止措置」実行に向けて行動を起こしていく姿勢をみせてきている。
 これに対し、日本側の対応は様々だ。台湾で採捕される早期のシラスウナギは品質面でも高いことから引き合いが強い。年間五トン前後のシラスウナギが正式に日本に輸入される中で、その大半が丑の日を中心に出荷され、シーズンピークの供給を担ってきている。
 この五トン分のシラスウナギが早期に池入れ出来ないことで丑の日に向けた供給事情は一気に悪化していくことは避けられないといえよう。
 そうした状況下で、最も強い影響を受けることが予想される単年養殖メッカの三河一色地区・宮崎県を中心に、鹿児島県等の早期シラスウナギに依存する生産者は強い懸念を表す。全荷連副会長を務める三河淡水魚の柴崎義輝社長が、過日開催された日華懇で「もう少し待って欲しい」と要望、台湾側もモラトリアムを設ける中で、ギリギリの攻防が続くことになる。
 台湾側は「待てるとしても6月いっぱい。それ以降は禁止措置実行に向けて動かざるを得ない」とそれほど時間が残されていないことを強調する。柴崎社長も「一色うなぎ漁協、愛知県養鰻漁業者協会を通じて養鰻振興議員懇談会の杉浦正健会長に訴えかけていく」と述べると共に、「出来る限りのことはしてみたい」と禁止措置回避の為に必死の姿勢をみせる。
 こうした日本側の対応に、これまで頑な姿勢を崩さなかった台湾側も「努力している姿が見えることが大事」と、結果よりも「努力の跡」が必要であることを明かす。
 日鰻連関係者も「昨冬以降、日台の生産者は正式に話し合う場を設けられていない。膝を突き合わせて話し合えば分かり合えると思う。何としても話し合いの場を設けていきたい」と語る。「日本側も努力をしているが、回答書のみではそれが伝わらない。生産者がどれだけ努力してきているかをもっと分かってもらえれば…」と日台生産者の直談判にかける思いも述べる。
 シラスウナギの採捕流通に関して、日本は水産資源保護法と輸出貿易管理令で厳しく制限しており、台湾側の要望がどこまでかなえられるか難しい。ただ、日本側の真摯な姿勢が台湾側に通じることを期待し、日本の生産界も最後まで諦めずに台湾と折衝を続けていくしかない状況と言えそうだ。


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