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『ウナギ 地球環境を語る魚』 [これはみたい一冊]


「万葉集」に登場するほど古くから、日本に馴染みの深いウナギー。そうしたウナギたちが今、世界でどのような問題に直面しているのだろうか。 
 このたび、岩波書店から発行された『ウナギ 地球環境を語る魚』(井田徹治著・777円[税込]・221頁・新書サイズ)は、世界各地で深刻化する資源問題を最新リポートと合わせ、赤裸々に綴る。『ウナギという生き物』、『産卵場所の謎を追う』、『ウナギを増やせるか』、『ヨーロッパでは絶滅危惧種』、『日本のウナギも減っている』、『ウナギと日本人』の6章からなる本書は、記憶に新しいヨーロッパウナギの漁獲削減の話など世界各地で起きている資源問題を中心に取り上げる一方、謎の多いウナギの生態にもスポットをあてた産卵場所特定までの話、人工養殖の苦労話も大変、興味深い。
 また後半には、最新の日本の業界事情として、“国産品信仰とウナギロンダリング”、また現在も解決されていない“台湾のシラスうなぎ輸出禁止問題”についても触れており、トータル的にウナギを捉えた本書はまさに業界関係者必見の一冊と言えよう。

▼著者の言葉を一部、抜粋しておく。
『われわれは、ウナギを育む身近な自然を思いやる気持ちも、ウナギを大切にしてありがたがって食べる気持ちも、いつのまにか忘れようとしているのではなかろうか』。

[問い合わせ]
(株)岩波書店
〒101-8002
東京都千代田区一ツ橋2-5-5
販売部03-5210-4111



〜世界の資源問題、日本の最新鰻事情も〜
『ウナギ 地球環境を語る魚』井田徹治著
岩波書店発行


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