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地球上のウナギ総動員なるか? [本紙記事/速報]

日本国内で最も消費されるウナギはアンギラジャポニカ種です。アンギラジャポニカ種も含めて最近見つかった新種のウナギも入れるとウナギには19種類もの種が存在します。

よく、国内で大きな天然ウナギの話が出ますが、あれは「オオウナギ」と呼ばれる種で、「アンギラマルモラータ」が正式な名前です。

この他にヨーロッパにはアンギラアンギラ種と呼ばれる欧州種のウナギがあり、これはヨーロッパでも養殖されております。ヨーロッパではほぼ全てがスモークウナギの加工場に出荷され、ヨーロッパ等でのクリスマス向けの惣菜としてサーモン等と一緒にパンの上に乗せた形で食べられます。

中国も20年近く前からこの稚魚を輸入し、中国国内の山間部で養殖してきました。日本にも蒲焼の形で輸入されていましたが、ワシントン条約で規制がかけられたこともあり、これからはヨーロッパのみの養殖となりそうです。

アメリカにはアンギラ・ロストラータ種と呼ばれるウナギがあり、これも有名です。養殖は殆ど行われておらず、天然ウナギのまま冷凍魚としてヨーロッパに輸出され、スモーク向けの原料として使われます。

これ以外に、オセアニア地区・インド洋海域等にもウナギがいますが、比較的知られているのがオーストラリアで漁獲される「オーストラリス種」、東南アジアで漁獲される「ビカラー種」等でしょうか。こうした種類のウナギは活魚で香港の海鮮料理店に輸出される以外、前出のヨーロッパ向けとして冷凍魚として輸出されます。

で、本題です。

味はどうなのでしょうか。

ジャポニカ種が美味しいのは言う迄もありません。それは除外して、次にアンギラアンギラ種。身と皮の間の脂が多く、皮が硬めという難点はありますが、実際に食べてみるとそれほど差がありません。素人の方だったら普通のウナギと区別がつかないと思います。

あと、日本でも天然ウナギの端境期に取れる貴重な天然ウナギとして「オーストラリス種」の人気は徐々に定着しつつあります。オーストラリアのタスマニアで漁獲される為に「タスマニア産」として知られていますが、現在、静岡県浜松市のウナギ問屋・海老仙さんが一手に取り扱っております。天然ウナギの品質は時期により非常にばらつくので、取り扱う側としても大変ですが、それでもオフシーズンでも食べられる天然ウナギとして人気も出始めております。

シラスウナギ漁が二年連続の不漁となる中で、台湾、中国、韓国まで含めてもウナギの在庫が非常に少なく、先行きの供給見通しは、相場云々の状態ではなく、「必要な数量をどこまで供給出来るか」にかかっています。

既に前出のウナギはある程度日本のマーケットでもお目見えしておりますが、これからヨーロッパで加工された欧州種ウナギ、更には資源面で恵まれているビカラー種やロストラータ種等を含め、地球上のウナギを集められる限り集め、総動員していく必要があるでしょう。

逆に言えば、今シーズンから来シーズンにかけて様々な世界中のウナギ蒲焼を食べることが出来るチャンスとなるかもしれません。ジャポニカ種が豊漁であれば、見向きもされなかった様々な種類のウナギが多様な形で日本のマーケットに登場する可能性は高いでしょう。味や食感もそうですが、滅多に無いことですので、スーパーで見かけないウナギを見てみたら手にとってみてはどうですか?

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写真は上二枚がヨーロッパでのスモークウナギの加工風景。中段左は「タスマニア産」、中段右と下はビカラー種です。蒲焼にしてみたら、外見は全く変わりませんね。
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