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「蒲焼店が考える“これから”」2 〜2014年2月15日号掲載〜 [蒲焼店が考える“これから”]


村田章太郎常務
(逢坂山かねよ/滋賀県大津市)

『天然ウナギを漁獲されている人たちと          どう共存していくか』

「先日、『国際ソロプチミスト大津』というイベントに参加し、弊社のうなぎ商品を販売させていただきましたが、“鰻蒲焼一本入(3500円)“などやはり、売れが落ちています。お客さんの”鰻は高い“というイメージが深く、刷り込まれてしまっている事を強く感じました」

近年、シラスウナギ不漁による相場高騰から、ウナギ離れは顕著となっている。また今年4月から、消費税も増税され、売れ行きが懸念されているところでもある。

「おととしの4月にメニュー価格を値上げさせていただいていますが、すでに限界を超えている状況です。この4月からは3%消費税分に加え、“4年連続のシラスウナギ不漁”など業界事情を説明させていただいた上で値上げも考えています。お客様に喜んでいただけるよう、変わらず努力は続けていきますが、とにかく、不安でしょうがないです」

ウナギ業界において近年、“ウナギ資源保護”が叫ばれている。天然ウナギの漁獲規制、シラスウナギ稚魚採捕の日数縮減、また天然ウナギを買い上げ、放流する取組みも実施に行われている。

「天然ウナギを漁獲されている人たちとどう共存していくか考える事も大切だと思います。天然ウナギについても、“ハードランディング”的な規制ではなく、“ソフトランディング”で進めていきながら、一方で消費者に向けても資源の大切さをアピールしていくことも大事でしょう」

ウナギ資源保護を進めていく一方、ウナギマーケット回復のためのPRについてはどうだろうか。売れ行きに関して、一つの指標となる東京地区活鰻流通量(東淡調べ)は昨年、史上最低を記録、今後が懸念されているところもである。

「昨年12月、“和食”が世界無形文化遺産に登録されましたが、そのなかで“鰻も含まれています”というキャッチコピーを添えPOP、ポスター、ステッカーなどを用い、広く啓蒙していくことも良いかもしれないですね。とにかく、多くの人に関心を持っていただくこと、興味をもっていただくことが大事ですね」

価格、資源問題など様々な課題が山積する鰻蒲焼店業界。取り巻く環境も厳しいなかで、鰻屋はどう進んでいくべきか。

「古いものは守るべきだと思います。ただし、やはり、お客さんを待つのではなく、足を運んでいただけるよう、敷居を低くしていく必要があります。また社員には “もの作り”という意識を強く持ち、単なる“作業”にならないように常々、強く言っています。商売を取り巻く環境が厳しいなか、“ウナギがきれいに並んでいるか?”など細かい部分を徹底させる事もお客様への礼儀。老舗ながら、活気ある店作りに今後も努力していきたいですね」

[データ]
「逢坂山かねよ」
〒520-0062 滋賀県大津市大谷町23-15
電話(本店)077-524-2222

村田章太郎常務/逢坂山かねよ.jpg


















*「蒲焼店が考える“これから”」は現在、日本養殖新聞で連載中


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