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「蒲焼店が考える“これから”」41 〜2015年4月25日号掲載〜 [蒲焼店が考える“これから”]


三代目 森 正道氏
(根ぎし 宮川/東京都台東区)

『うなぎのことをもっと理解してもらうために…』

ニホンウナギが昨年6月にIUCN(国際自然保護連合)のレッドリストに絶滅危惧種として登録、一般メディアでもこれを取り上げ、専門店にとっても反響は大きかった。

「変化はありました。とくにメディアが稚魚の高騰、不漁という事を取り上げ、うなぎ離れを顕著に感じました。夏に向けて今までとは違う不安がありますが、特にリピーター率アップを心掛けています」

昨今、資源面に限らず、相場面の動向も懸念されはじめている。

「おそらく、これからさらに高騰すると予想されます。皆様、いろいろと努力、工夫されていることは把握していますが、決して質を落とす事なく、提供していきます」

資源、相場動向、そして職人不足問題も避けては通れない。取り巻く環境は厳しいなか、ウナギのPRについてはどう考えていくべきだろうか。

「職人さん不足も大きな課題の一つですね。どの職業にも当てはまりますが、働く環境の改善によってある程度、対応出来るのではないでしょうか。職人さんは特にプライドが高く、仕事に誇りを持っている方が多いので、会社側の方針をきちんと伝え、仕事のやりやすい環境を作りあげる事で職人だけでなく、その他の社員、アルバイトを長期にわたって採用出来る事を昔から絶えず、心がけています。経営面については人件費を抑える事も大事ですが、目を外部に向けて、特に今はインバウンドに力を注いでうなぎ文化を多くの方に知っていただく努力をしています」

取り巻く環境が大きく変化する中、蒲焼店としてはどのようにこれからを進んでいくべきか。

「おそらく、ワシントン条約で弊社も含め、影響を受けるでしょう。並行して完全養殖の商業化も現実味を帯びてくると思いますが(早々希望)。今まで外部を中心に業界繁栄に努めてきましたが、今後は皆様で協力し合って何かを作り上げることも面白いですね。これからさらに大変な局面に直面すると思いますのでいろいろなヒントをシェアしていきたいです。最終的にはみんなでうなぎフェスin Tokyoをやりたいなんて思っていますけど・・・」

そのほか、ウナギ業界で働きかけている事は?

「今までいろいろと各地で業界のプレゼンをしてきました。主に<年一回食べる方に年二回食べてもらいたい>運動です。別に弊社でなくても良いので自分が好きな専門店でウナギを食べてくださいとお伝えしています。業界的に危機を感じる今日この頃、業界繁栄に共感していただける方、一緒に頑張っていきませんか。こんな私ですけどよろしくお願いします」

[データ]
「根ぎし 宮川」 
〒110-0003 東京都台東区根岸1-1-35
TEL:03-3842-4141

森正道 のコピー.JPG

















*「蒲焼店が考える“これから”」は現在、日本養殖新聞で連載中
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