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「蒲焼店が考える“これから”」81 〜2016年9月15日号掲載〜 [蒲焼店が考える“これから”]


藤野新市社長
(うなぎ・季節料理 藤乃/東京都小平市)

『売る側が常に“進歩”と“勉強”を怠ってはいけない』

9月も半ばに差し掛かり、貴店の売れ行きはどうだろうか。

「6月下旬から売行きが上向き、8月いっぱいまで良く、扱い数量で昨対10%増でした。ネットを見た方、近所にあったうなぎ屋さんが廃業した事も追い風になったようです」

オフシーズンの中、販促等の取組みは?

「今年7月から、うな丼、あるいはうな丼定食を召し上がっていただいた方に『200円割引チケット』を差し上げています。期限は11月までで、それまでは何回でも、何人でも使用出来ます。夏の繁忙期、なくなくお断りしたお客様にもこのチケットをお詫びとしてお配りしましたのですでに効果も出ていますし、オフシーズンの集客も期待しています。このチケットの期限が切れる頃は新装開店から3周年を迎えるので、別のアイデアを考えています」

扱う産地へのこだわりは?

「扱う原料は国産ですが、品質が良く、安定していれば台湾産、中国産でも良いです。ただ、過去に輸入活鰻のなかでやけに水っぽく、臭いが凄かった事があり、その印象が強すぎてあまり手が出せない事もあります。またお客様の国産志向が根強く、輸入活鰻を扱うにも“やりにくさ”があります。以前も『“国産”ということでいただきましたが2,500円って安くありません?輸入物でだましていません?』そんなお客様の電話もあったほどですから。ちなみに味のあるヒネが好みです。皮の硬さ等はしっかり焼いて蒸すなど調理技術で対応しています」

ウナギ資源問題についてはどんな意見を持っているか。

「単刀直入に言うと“人間が欲をかきすぎるから”いけないんじゃないかなと思います。30〜40年前、サンマが獲れ過ぎて沈没する漁船があったように何事もやり過ぎは良くないですし、是正することが大切です」

気になる職人不足問題については?

「中華の料理長になった知人は、そのきっかけに小さい頃に食べた中華料理が美味しかった、事を挙げていました。ウナギも、子供の頃に召し上がっていただく機会を増やし、私たちのようにウナギを提供する側も常に切磋琢磨して美味しいウナギ料理を提供し続ける事が大事ですね」

最後にうなぎ専門店としてどうあるべきか?

「今では価格も高く、たくさんの人が気軽に食べられる食材ではなくなったからこそ、10人くれば10人に“美味しい”と思っていただくようにさらに努力しなければなりません。それには、私ども売る側が常に“進歩”と“勉強”を怠ってはいけないことだと思います」

[データ]
うなぎ・季節料理「藤乃」
〒187-0032 東京都小平市小川町1-1059-6
TEL:042-345-2227

代表取締役社長 藤野新市ブログ用.JPG

















*「蒲焼店が考える“これから”」は現在、日本養殖新聞で連載中
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