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「蒲焼店が考える“これから”」111 〜2017年10月5日号掲載〜 [蒲焼店が考える“これから”]


杉田 智昭店長
(うなぎと地酒 まんまる 池袋/東京都豊島区)

『専門店とお客様とのより良い関係を』

新鰻年度が始まり早1ヶ月が経とうとしている。貴店の販売状況はどうだろうか。
「ありがたいことに売り上げ、来客数共に昨年を越えています。一時期に比べるとここ何年かは大幅な変動が無い分相当な圧迫は感じていないです。 鰻の食事のみですと利益率、原価率には大きな圧迫が出てしまうと思います」

一方、貴店における販促、インバウンド対策はどうだろうか?
「川魚問屋直営店の強みを生かして低価格で美味しい物を安心して提供出来る様にスタッフ皆で学びながら お客様にオススメ、提案、提供しています。インバウンド対策では外国語メニューの作成。言葉が伝わりにくい分、丁寧な接客に努めています。お客様の15%は外国のお客様で、うち90%以上は中国の方です。基本は日本のお客様も外国のお客様も同じ様に対応しております」

ちなみに活鰻原料に対するこだわり、あるいは良いウナギとはどのようなものか。
「“良い”ウナギとはお客様が美味しいと言って何度も足を運んで頂けるウナギだと思います。提供側によって好みは異なりますが、新仔の様なウナギではないかと思います。取り扱いサイズは3尾・4尾・5尾、国産・中国産、または台湾産を使用。問屋直営店の最大の強みは本社がその時々で一番良質のウナギの使用が出来ることです」

ところで、昨今のニホンウナギ資源問題に対しての意見はどうだろうか。
「ウナギ完全養殖にまず大きな期待を感じています。資源保護・管理問題に関しては、飲食店は稚魚の池入れ等を含む養鰻業者さん達に委ねる所ではないかと思います。蒲焼専門店飲食店は養鰻業者さんが苦労して育て出荷した鰻を残さない様に消費する事が資源の無駄、管理問題への働きになると考えます。飲食業界は仕入れ値、取り扱う量も資源と養鰻業者さん次第の部分が有ります」

人材問題に関してはどのような考えがあるだろうか。
「技術の継承に時間がかかりすぎ、反復練習が難しいこと、世代交代問題などが深刻な要因だと思います。職人に対する将来的な補償が確立しておらず、引退出来ずに世代交代が出来ません。若い世代は収入が上がらず、負担が増えるためにやめたり、または業界に飛び込んで来ないのではないかと思います。弊社では加工も行っており、飲食店での時間のかかる技術継承に比べて絶対数をこなす事が出来るため、職人育成には強みがあると思います」

鰻専門店として今後、どう乗り切っていくべきか。
「美味しいうなぎをより多くの人に食べて頂きたいのはもちろんですが、美味しいうなぎを提供し、うなぎを通じて専門店とお客様とのより良い関係を築いていくことだと思います。養鰻業者さん、問屋さん、蒲焼屋さん、お客様が良い関係でありたいと思います」

[データ]
「うなぎと地酒 まんまる 池袋」
〒171-0014 東京都豊島区池袋2-13-8 光陽ビル1階
電話:03-3980-5616

まんまる杉田店長.JPG

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