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美味!!「鯉」メニューのお店17〈2016年10月25日号掲載〉 [鯉シリーズ]


ひと工夫の提供で若い世代にPR!
東京・台東区「浅草うな鐵」

今号の「美味!!『鯉』メニューのお店」シリーズは東京の下町・浅草にある「浅草うな鐵」を訪問。小野義哲店長に、鯉料理のこだわりや消費拡大へ向けたアプローチ方法などのほか、メインで扱っている鰻についても合わせてお話を伺った。

「浅草うな鐵」は昭和56年4月に創業。2店舗目となる「浅草駅前本店」は、すぐ目の前を隅田川が流れ、店内から東京スカイツリーが一望できるほか、春になると隅田川の土手沿い一面に満開となる桜を楽しむこともできる。都内でも無類の観光地という場所柄、近年は外国人観光客、特に中国・韓国の若い観光客が多くなっているが、10年以上通い続けてくれている常連客もおり、地元に支えられている。

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「浅草うな鐵」の外観と店内の様子

鯉料理は「鯉のあらい」を提供。産地は福島県で、1尾の重さはおよそ1.8〜2kgと比較的大きめ。1尾から「あらい」8〜9人前を調理することができる。約45度のお湯に熱湯を足して湯がくことで独特の歯応えが出るのはもちろんだが、酢みそにゆずこしょうを混ぜており、酢みそのさっぱり感に、ゆずこしょう独特の風味と辛さの両方を味わうことができるのも特長。また、こうすることで「ゆずこしょうの風味で川魚特有の臭みも気にならなくなります」と、小野店長は言う。

「鯉のあらい」を注文するのは50代以上の年配の客が中心。提供している店が少ないこともあり、来店時には必ず注文する客も多い。近年の「浅草うな鐵」での鯉の消費自体は大きな増減はなく、横ばい状態が続いているというが、やはり若い客層が鯉という食文化になじみがないことは否めない。
「コース料理は幅広いお客様に注文いただくので、コースに含まれているサラダと『鯉のあらい』を混ぜて出すなど、提供の仕方を工夫しております」。
小野店長は若い世代に向けたアプローチ方法についてそう話す。

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「鯉のあらい」

一方、うなぎについては主に鹿児島産と愛知三河産を使用し、サイズは4.5Pの1種類のみ。以前は5Pを使用していたが、懸念される資源問題のことを考え、4.5Pに切り替えた。1尾を使用する「松重」、7〜8割を使用する「竹重」、半分を使用する「うな丼」などがあるが、やはり売れ筋商品は「松重」。柔らかく風味豊かな焼き加減と、深く濃厚な味わいが自慢の秘伝のタレが人気を博している。

また、客の約半数が注文するのが東京初の「浅草ひつまぶし」。地焼きでうなぎとタレをしっかりからませながら香ばしく焼き上げるのが特長で、名古屋とはまた違ったおいしさが楽しめることから利用客からも好評。さらに平成15年からは塩味に挑戦。2年の歳月をかけて「塩タレ」を考案し、独自メニューの「塩ひつまぶし」を世界で初めて完成させた。

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「うな重(松)」と「浅草ひつまぶし」

「身は塩だけで焼き、タレは白醤油と砂糖で甘さを出しています。甘さとしょっぱさの絶妙なバランスが自慢で、『ひつまぶし』の注文の中で2〜3割を占めます。珍しいメニューですが、お客様からは『おいしい』と好評です」。
小野店長は『塩ひつまぶし』のこだわりについてそうPRする。うなぎやひつまぶしに対する知識が豊富な客が気軽に「もっとこうした方がいいのではないか」と言えたり、スタッフもそれに応えたりできるようなフレンドリーな雰囲気も魅力だ。

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業界では現在、職人不足の問題が深刻化しているが、「12名いる職人は皆、20代〜30代です。お互いに距離感が近く、親しい間柄ですから比較的溶け込みやすいと思います」と、新人の職人でも慣れやすい環境を整備している。
昨年9月には運営会社が変わったが、「それにより、私たち一人一人が今まで以上にお店のマネージメントも考えるようになりました」と小野店長は話す。

「どうすればもっと多くのお客様に来ていただけるか、スタッフ一人一人にそれを考えることが求められます。そうすることで必然的にお客様にいい商品を提供することにつながるでしょう。皆で考えながら、密度の濃い仕事をしていきたいと思います」。
小野店長はそう目標を語った。

「浅草うな鐵」本店
東京都台東区花川戸1-2-11
電話:03-5830-3302

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