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「蒲焼店が考える“これから”」67 〜2016年3月25日号掲載〜 [蒲焼店が考える“これから”]


篠原孝直代表
(鰻割烹まえはら/京都市中京区)

『何が他店と違うのか、自店の特徴を持つことが大事』

新年度が間近に迫るなか、福岡を皮切りに桜が開花、ようやく麗らかな春の到来となった。夏に向けてウナギ消費が期待されるなかで、貴店では新鰻年度以降、売れ行きはどのように変化しているだろうか。

「昨年同期と比較してもとくに大きな変化はありません。何方かと言えば、微減となっております」

近年はウナギ資源保護・管理の動きが加速、それら規制を背景に、パッとしないシラス漁からもなかなか値下がらない活鰻価格。近年、メニュー価格の値上げでウナギ離れが起きるなど厳しい状況が続くが、一人でも多くのお客を取り戻すための対策、取り組み、あるいはこだわっている部分、一方でメディアで取り沙汰されるインバウンド対策などはどうだろうか?

「共水ブランド鰻の特徴をアピールし、鰻本来の美味しさを提供させていただいています。また、江戸焼きの仕上がり、素材を活かすタレが当店の売りとなっています。一方で、外国人対策としては、英語のメニューを活用しています。そしてこだわりとして、鰻の創作料理の会席を前面に押し出し特徴にする工夫をしています」

ところで、貴店が思う“良い”うなぎとはどのようなものか。

「天然鰻に近い環境で、養鰻されたウナギが良いと思っています。従って、当店が出会えた共水ブランド鰻は最高です。今後も使用を許される限り、提供していきたいと思っています。今後も引き続いて、国産鰻『共水ブランド鰻』にこだわっていきたいと思います。理由は前述の通りです」

今年9月、ワシントン条約締約国会議がいよいよ開催される。その前段として、規制対象とすべき種類を提案する期限が来月27日までとなっているが、それまでにニホンウナギ“が加盟国から提案された場合はかなり、本会議ではかなり厳しい状況に追い込まれる。それだけに重要で大切なニホンウナギの資源保護管理問題。貴店においては、ウナギ資源に対してどのような考えを持っているのだろうか。

「ニホンウナギはすでに絶滅危惧種なので仕方がないと受け止めています。ですので、ウナギの完全養殖(大量生産)の早期実現を今から心待ちにしています。なお、資源対策は特に考えておりませんが、私どもでは会席料理を中心に営業しているので、鰻の使用量を変化させることによる対応で乗り切っていきたいと考えています」

一方、ウナギ資源問題と同様に再三、話題に上るのが専門店にとってとくに頭の痛いウナギ職人不足問題だろう。貴店ではこうした窮状に対してどのような対策を行っているのだろうか。

「職人不足は今後も頭の痛い問題です。現在は長男に継承していますが、今後は日本料理の職人に鰻の技術を教え、そのうえで会席料理を継続したいと考えています」

取り巻く環境が大きく変化する昨今、うなぎ蒲焼専門店”として今後、どうあるべきか、またどのように乗り切っていくべきか。

「これは鰻専門店だけの問題ではなく、飲食業界全体の問題と捉えています。生き残りをかけて何が他店と違うのか、自店の特徴を持つことが大事だと思います。また、顧客の絞込も必要になるのではと考えています。年齢・ファミリー向け・接待向き・性別等々で、自店はどのお客様を囲い込めるかを決めて、店作りを行っていくことが大切だと思います」

[データ]
「鰻割烹まえはら」
〒604-0856 京都市中京区両替町二条上る北小路町108-1
TEL:075-254-7503

代表 篠原孝直 のコピー.jpg

















*「蒲焼店が考える“これから”」は現在、日本養殖新聞で連載中
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