SSブログ

美味!!「鯉」メニューのお店18〈2016年11月5日号掲載〉 [鯉シリーズ]


栃木市 うなぎ・甘露煮「せしも」

今までにない味わい方で鯉の魅力をPR

鯉料理を提供しているお店を紹介する「美味!!『鯉』メニューのお店」シリーズ。今回は栃木市にある完全予約制の「うなぎ甘露煮 せしも」を紹介したい。
100年以上前、この地は船着場として栄え、荷物を小型の船に積み替えて東京へ持っていくための要として重要な役割を果たしていた。当時はウナギやコイ、ナマズなどたくさんの川魚が捕れ、周辺に多数あった宿屋や飲食店に川魚を卸そうと、現在の瀬下知也店主の曽祖父が本格的に川魚の取扱を始めたのがきっかけ。

4 のコピー.JPG
5 のコピー.JPG

























「せしも」の店構えと店内の一部

「多いときには行商が20人ほどいたそうです。当時はまだスーパーがありませんでしたので、今でいうスーパーのような存在ですね。祖父の代までは川魚を生の状態で卸していましたが、行商がいた当時はさばいたウナギやコイを売っていました。父の代になって『今後生の魚を煮たり焼いたりする家庭が減ってくると思う。うちで煮たり焼いたりしてはどうか』と、甘露煮などの販売を始めました」。

2 のコピー.JPG
7 のコピー.JPG
3 のコピー.jpg




































鯉のあらいは、あらいの下に大根おろしを置くことで水分を吸収する。下は「お重 並串」

瀬下店主はそう振り返る。瀬下店主自身は若い頃、世界中を旅していたが、各国の食べ物を食べる中で「やはり和食はすごい」と思うようになった。「小さい頃はウナギをさばくということが当たり前だと思っていましたが、外へ出ると当たり前ではないことがわかりました」と話すように、ウナギをさばくのがすごいことだと気づき、同時にコイを食べることの大切さも認識したという。
「せしも」ではコイ料理は「鯉のあらい」を提供。店内で味わうのはもちろん、持ち帰りもできる。産地は茨城県で、1尾の大きさは1.5kgほど。仕入先の生産者は餌も製造しているが、原料に使う霞ヶ浦の魚にタンパクなどを入れている関係で独特の甘みがある。また、冬場には「鯉の旨煮」も提供。
「旨煮は二日間煮て、三日目は味をよく染み込ませることで骨まで柔らかく食べられます。うろこを外すと身が崩れてしまうので、うろこはつけたままにします」。
瀬下店主はこだわりについてそう話す。ただ、平成15年に発生したKHVの影響もあり、コイの消費は今も減少の一途をたどっている。「せしも」でコイを注文するのも圧倒的に年輩の利用客が多いという。

10 のコピー.jpg
11 のコピー.JPG
























鯉の三枚おろしの様子

一方、ウナギは「丼ぶり 小串」「お重 並串」「お重 特串」などが主なメニューだが、売れ筋商品は「並串」。1尾の大きさは3P〜5.5Pが中心。「共水鰻」を100%使用しているのは栃木県内では「せしも」のみで、天然ウナギに近い風味と高い栄養価で甘い脂が大きな特長。美肌効果が高く、「美肌鰻」とも呼ばれている。
「夏はそうめんなどさっぱりしたものを食べますが、そこでウナギを食べても逆においしいんですよ」。
瀬下店主はおいしさをさらにPRする。

8 のコピー.JPG
12 のコピー.JPG

























鰻の裂きと焼きの光景

「80歳を過ぎたおばあさんが鯉のあらいを3ヶ月間食べ続けてヤケドが治ったり、歯肉がついて入れ歯を作れたりという例がありますが、こうした鯉の効能や高い栄養素をまだ知らない方が多いです。当店ではあらいは酢みそと、トマトソースをシャーベット状にしたものと二種類の味で楽しめます。希少価値もありますし、こうした食べ方を広めていきたいですね」。
瀬下店主は消費の拡大についてそう話す。ウナギについても「食材としての力はズバ抜けていて、焼いただけで旨さが違うのがわかる」という。どちらも栄養価のある魅力ある商材だけに、今までにはなかった味わい方で、特に若い世代にその美味しさに触れてもらえることを望みたい。

1 のコピー.JPG

















瀬下 知也店主

うなぎ・甘露煮「せしも」
〒329-0316 栃木県栃木市藤岡町石川315-2 完全予約制
電話:0282-67-2551


nice!(2) 
共通テーマ:ニュース

最新号20.11.15発行しました!! [本紙記事/速報]


11月15日号ブログ用.JPG










主な内容〈8ページ建て〉
▼シラス池入れ指標価格60万円 活鰻在庫、前年を1,800t上回る12,000t 〜日本鰻協会定例会合開催 10日/東京・港区、全荷連事務所〜
▼国内主要3県(高知・宮崎・鹿児島)前年度に比べ解禁早める!! 〜多獲の3ヶ所(千葉・茨城・静岡)はいずれも12月1日解禁〜
▼浜名湖の試験採捕【10日晩網入れ11日引き揚げ】6年ぶりに1回目で7尾採捕!
▼シールで当てよう!!「年末どっこい鯉フェア」 今月1日〜12月31日まで〈福島県郡山市〉
▼静岡うなぎ漁協・青年部 全青連助成金活用、鰻蒲焼販売 〜3日/静岡県榛原郡吉田町「小山城公園」〜
▼“クリスマスうなぎ”は少人数に照準も 〜えっせい 鰻に魅せられて その117〜
▼全国の鰻蒲焼支出額、9ヶ月連続の前年超え 〜家計調査・9月分〈速報〉〜
▼自分を諦めないで 若人に伝えたいこと 〜新美貴資の「めぐる。」101〜
▼隔月のスーパー蒲焼拝見「中国産中心に概ね値下がり」
▼バリエーションに富んだうなぎ料理に舌鼓 〜明治時代からの古民家をリノベーション 愛知県名古屋市「しば福や」〜
▼新東調理士会主催「鰻調理実習授業」5日/世田谷区「駒場学園高校」
▼開業20周年「名代字奈とと」キャンペーン中 〜来月7日まで〜
▼今号のうなLady Vol.179
▼将来はよりエンタメ性のある店を 〜取材先で見つけた話題のうなぎ料理専門店 埼玉県松伏町「川昌」〜
▼日本橋の若旦那5氏が集う!日本橋三四四会&SHISEILABO共催 〜「日本橋×豊洲 江戸の食文化、その真髄と新常識」12日/東京・日本橋「日本橋Flatto」〜
▼練馬のお魚やさん 丸川水産 今旬のオススメ!その37
▼(一社)全国鰻蒲焼商協会2日、設立へ
▼中国J種いかに売るかが最大の課題 日本鰻輸入組合・森山喬司理事長が強調 〜「来年需給バランスが破滅的に崩れる段階に」〜
▼台湾好調なスベリ出し すでに前年を大きく上回る180〜190kg!!(12日現在)
▼明鏡止水

その他


nice!(1) 
共通テーマ:ニュース

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。