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『ウナギ完全養殖、大量生産化は近い?』 [本紙記事/速報]


〜「“いつ出来るか”ではなく、“いつやるか”」、水産総合研究センター・増養殖研究所の田中秀樹グループ長が明かす〜
<講演『ウナギ人工種苗生産技術の現状と課題』にて>


全国の若手養鰻業者で組織される全国養鰻業者青壮年部連合会が22日、平成25年度全国大会を愛知県豊橋市のホテルアソシア豊橋で開催した。

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そのなかで、“ウナギ完全養殖”の第一人者である水産総合研究センター・増養殖研究所の田中秀樹グループ長が講師として招かれ、『ウナギ人工種苗生産技術の現状と課題』と題する講演を行った。

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田中氏は“環境省によるレッドリスト登録”“IUCNでもレッドリスト掲載を検討”“サイテスにおいても掲載が検討されている”などニホンウナギ資源を取り巻く厳しい現状を説明しながら、必要性がとくに迫られる“人工種苗生産技術”について言及した。

そのなかで「大量生産技術及びコストの低減が実現すれば、“種苗供給、価格の安定化”“天然稚魚の採捕を減らせる”“種の保存を可能にする技術”“育種の可能性(高成長など)”が期待出来ます」とした上で、「ちなみに“現在の技術で量産はどこまで可能か?”についてですが、親鰻からの“成熟・排卵率は90%”(※1尾あたりの排卵数60万個)、ふ化率は30%、仔魚生残率は“ふ化から摂餌開始まで80%、摂餌開始からシラスまで5%”という状況です。これをふまえるとシラス5トン(=2500万尾)の人工生産には催熟親魚数は3858尾数が必要になる計算となります」と説明した。

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続けて「現在の技術があれば計算上は大量生産が可能です。しかし、なぜ、“やれないか“はコストの問題、そして量産化対応飼料開発などの問題があるからです。こうした事を踏まえると、よく聞かれます”いつ出来るのか“ではなく、”いつやるか“という段階に入ったと言えます」と述べ、確実に進歩している事を明らかにした。

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ちなみに現状ではシラス1匹にかかるコストは飼料代、設備投資、人件費、光熱費など1000円以下では無理だという。


[ぴかぴか(新しい)]全青連・全国大会記事は本紙10月25日号で掲載>

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