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「蒲焼店が考える“これから”」119 〜2018年4月15日号掲載〜 [蒲焼店が考える“これから”]


横山 純哉代表取締役
(うなぎ会席 藍の家亭/東京都大田区)

『資源確保のために働きかけることが第一』

今シーズンのシラス大不漁。メニュー価格の値上げなど、対策の実施は?
「仕入れ価格上昇に伴い、当店では三月一日より販売価格の変更、メニュー改定を実施しました。また、鰻を大きいサイズに変更、さらに蒲焼きの大きさに応じて展開するメニューも変更しました」

販促やインバウンド対策は? 
「今までご来店いただけなかった層、またよくご来店いただいているお客様に当店のことをよく知っていただけるように、インスタグラムをはじめとするSNSを利用した販促を実施しています。また、海外のお客様がご来店された際には英語表記のメニューを用意しています。当店のある蒲田近辺には電車やバスなど羽田空港までの直結便があり、海外の方でも安心してご来店いただけるような対策もしていきたいです」

貴店の国産、中国産、台湾産に対する見解は?
「主に国産を使用し、時期によっては台湾産を使用することもありました。シラスの歴史的大不漁を受け、外国産を使用する専門店も今後増えていく中で、外国産の安全性も伝えていく必要があると考えます」

ところで”管理問題”について、の意見は?
「天然の使用は考えておりません。資源問題解決のためには、まず生態を学んだ上で解決策を見出すべきではないかと考えております。研究をされている先生方の著書や講義を拝聴し学ばせていただく中で、ウナギを守り、絶滅させないための保護活動を通して一般の消費者にこの危機的な実態を伝えたい、と考えています。現在、当店でも何らかの形での募金活動を考えており、それが完全養殖か自然保護かなど含めて検討しています」

近年、深刻の度合いを高めるウナギ職人不足。その育成や確保についての意見は?
「シラス捕獲量減少や価格高騰などのニュースから、特に若い方は、その魅力を上回る不安を抱かれているのではないかと危惧します。ですが、うなぎ料理は日本の伝統的な食文化の代表として、世界に誇る素晴らしい料理であると自負しております。この業界に携われることに、喜びと使命感と持っています。若い世代の方にもこの思いが伝わるよう、まずは発信し続けることが重要であると考えます。質の良い料理提供だけでなく、店舗の雰囲気や接客含め店舗全体の価値を高め、売り上げを伸ばしていくことが重要ではないでしょうか」

専門店としての取り組みは?
「今日ほどウナギの資源確保が叫ばれることは今までなかったように思います。今こそ目先の利益を求めるのではなく、資源確保のために働きかけることが第一であると考えます。お客様のお声が直接届く立場であるからこそ、募金活動も含め、SNS等のお客様の目に留まりやすい媒体を利用してこの現状(シラス大不漁・ワシントン条約)を伝えていくべきではないでしょうか。そして、味、接客、雰囲気すべてにおいてお客様の期待以上に満足してもらうためにおもてなしのこころで喜びと感動を伝えていきたいと考えています」

[データ]
「うなぎ会席 藍の家亭」
〒144-0051 東京都大田区西蒲田7-27-5
電話:03-3735-3603

代表取締役 横山純哉 のコピー.png

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